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2019年10月7日 (月)
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  • ESMOで発表されたデータは、2019年末までに実施が計画されている米国食品医薬品局(FDA)に対するペミガチニブの新薬承認申請(NDA)を後押し
  • 投資家向け電話会議とウェブキャストを本日9月27日中央ヨーロッパ標準時午後5時00分(米国東部標準時午前11時00分)に計画

米デラウェア州ウィルミントン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- インサイト(Nasdaq:INCY)は、主要評価項目に関する最終結果を含め、治療歴のある局所進行性/転移性胆管がんの治療薬としてペミガチニブを評価する第2相FIGHT-202試験の最新結果を発表します。ペミガチニブは、選択的な線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤です。FGFR2遺伝子の融合/再構成を持つ患者(コホートA)で、ペミガチニブによる単剤療法は、中央値15カ月のフォローアップ期間で36パーセントの全奏功率(ORR)(主要評価項目)、6.9カ月の無増悪生存期間(PFS)中央値(副次的評価項目)をもたらしました。ペミガチニブの忍容性は全般的に良好でした。


これらの試験結果は、スペインのバルセロナで開催中の2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会の最新演題口頭セッションで、本日9月27日の中央ヨーロッパ標準時午後3時00分~3時15分(米国東部標準時午前9時00分~9時15分)にマドリード・オーディトリアム(ホール2)で発表されます。アブストラクトは#LBA40です。

インサイト標的治療薬部門のグループバイスプレジデントであるピーター・ラングミュア(M.D.)は、次のように述べています。「ペミガチニブの最新データを発表できるのは当社にとって大きな喜びです。それらのデータは、FGFR2遺伝子の融合ないし再構成を持つ胆管がん患者に対し、有望な標的治療薬のアプローチを提供できる可能性も持つものです。進行性胆管がん患者は不良な予後に直面し、ファーストライン化学療法の後に続く標準治療は現時点で存在しません。当社は、胆管がんの主要な促進因子を標的とする強力な選択的治療薬のペミガチニブを前進させることに傾倒し、米国食品医薬品局(FDA)に対する新薬承認申請(NDA)をまもなく行う計画です。」

胆管がんは、胆管に形成される希少がんです。胆管がんは、その発生部位によって分類されます。肝内胆管がん(iCCA)は肝臓内の胆管で発生し、肝外胆管がんは肝臓外の胆管で発生します。胆管がんの患者は多くの場合、予後が不良な後期ないし進行期と診断されます1,2。胆管がんの発病率は地域によって異なり、北米と欧州では10万人当たり0.3~3.4人となっています1。FGFR2遺伝子の融合ないし再構成が発生するのはiCCAにほぼ限定され、iCCA患者の10~16パーセントで観察されます3-5

FIGHT-202の主要な試験結果

ESMOにて本日発表する最新データから示されるように、治療歴があり、FGFR2融合/再構成を有する局所進行性/転移性胆管がん患者(コホートA、n=107)では、独立の中央画像判定に基づけば、ペミガチニブ単剤療法により、完全奏功(CR)の患者3人と部分奏功(PR)の患者35人を含め、36パーセントの確定全奏功率(ORR)がもたらされました。これらの患者における病勢コントロール率(DCR)は82パーセント、奏功期間(DOR)中央値は7.5カ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.9カ月でした。全生存期間(OS)の予備的データは有望なもので(中央値:21.1カ月)、これらのデータは未完成であるためフォローアップを継続します。

FIGHT-202の患者コホート別の全奏功率(ORR)、奏功期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)

 

 

コホートA
FGFR2融合/再構成

 

(N=107)

 

 

コホートB
その他のFGF/FGFR遺伝子変異

 

(N=20)

 

 

コホートC
FGF/FGFR遺伝子変異なし

 

(N=18)

ORR、% (95% CI)

 

36 (27-45)

 

 

0

 

 

0

OR最高値、人数(%)

 

3 CR (3)

35 PR (33)

50 SD (47)

 

 

0

0

8 SD (40)

 

 

0

0

4 SD (22)

DOR中央値、月数(95% CI)

 

7.5 (5.7-14.5)

 

 

-

 

 

-

DCR、% (95% CI)

 

82 (74-89)

 

 

40 (19-64)

 

 

22 (6-48)

PFS中央値、月数(95% CI)

 

6.9 (6.2-9.6)

 

 

2.1 (1.2-4.9)

 

 

1.7 (1.3-1.8)

OS中央値、月数(95% CI)

 

21.1 (14.8-NE)

 

 

6.7 (2.1-10.6)

 

 

4.0 (2.3-6.5)

NE:評価不能

注記:患者1人は中央ラボによるFGF/FGFR遺伝子ステータスの確認がなく、安全性解析には含めましたが、有効性解析に関してはいずれのコホートにも割り付けませんでした。

患者146人を対象とした安全性解析は、ペミガチニブの忍容性が全般的に良好であることを示しました。最も頻度の高かった治療関連有害事象(TEAE、60パーセント)であるグレード1ないし2の高リン血症は、低リン食、リン吸着薬・利尿薬、または投与量削減もしくは投与中断により管理しました。最も頻度の高かったグレード3以上のTEAEは低リン血症(12パーセント)でしたが、臨床的に意義があるか重篤であると判断された症例は1件もなく、投与量削減または中断に至った症例もありませんでした。漿液性網膜剥離が患者の4パーセント(グレード3以上は1パーセント)で観察されましたが、臨床的続発症に至った症例は1件もありませんでした。

ハノーファー医科大学のシニアコンサルタント医を務めるアーント・フォーゲル教授(M.D.)は、次のように述べています。「胆管がん患者は、後期まで進行してから胆管がんと診断されることが多く、致死的な病気に対処しなければならないため、大きな課題に直面します。1人の医師として、FIGHT-202試験から得られたデータに勇気づけられます。これらのデータは、ペミガチニブが胆管がんの患者集団にとって、待ち望まれた標的治療薬の重要選択肢となり得ることを示すものです。」

FIGHT-202について

第2相非盲検多施設試験FIGHT-202(NCT02924376)は、治療歴があり、FGF/FGFR遺伝子変異ステータスが確認された局所進行性/転移性胆管がんの成人(18歳以上)患者で、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤ペミガチニブの安全性と有効性を評価する試験です。

患者は次の3つのコホート、すなわちコホートA(FGFR2融合/再構成)、コホートB(その他のFGF/FGFR遺伝子変異)、コホートC(FGF/FGFR遺伝子変異なし) のいずれかに組み入れました。患者は全員、21日のサイクル(2週間投薬、1週間休薬)にて13.5 mgのペミガチニブを1日1回(QD)、放射線画像診断による病勢進行または許容できない毒性が認められるまで経口投与を受けました。

FIGHT-202の主要評価項目は、RECIST v1.1による独立判定に基づくコホートAにおける全奏功率(ORR)としました。副次的評価項目にはコホートB、A+B、CにおけるORR、全コホートにおける無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏功期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)を含めました。

FIGHT-202に関する詳細情報については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02924376をご覧ください。

FIGHTについて

FIGHT(FIbroblast Growth factor receptor in oncology and Hematology Trials、腫瘍と血液疾患の分野における線維芽細胞増殖因子受容体に関する試験)臨床試験プログラムでは、FGFRがドライバーとなる数種類の悪性腫瘍を対象に、ペミガチニブ療法の安全性と有効性を検討する第2相および第3相試験が進行中です。ペミガチニブ単剤療法を検討する第2相試験に含まれるのは、FIGHT-202の他に、活性化FGFR3変異または融合/再構成を有するものを含め、転移性または外科的に切除不能な膀胱がんを持つ患者でペミガチニブを検討するFIGHT-201試験、活性化FGFR1融合/再構成を有する骨髄増殖性腫瘍患者でのFIGHT-203試験、腫瘍のタイプに関係なく、治療歴があり、活性化FGFR変異または融合/再構成を有する局所進行性/転移性または外科的に切除不能な固形悪性腫瘍を持つ患者でのFIGHT-207試験が含まれます。FIGHT-205は、治療歴がなく、FGFR3変異または融合/再構成を有する転移性または切除不能な膀胱がんを持ち、シスプラチン投与の対象とならない患者で、ペミガチニブ+ペムブロリズマブの併用療法とペミガチニブ単剤療法を検討する第2相試験です。FIGHT-302は最近開始された第3相試験で、FGFR2融合/再構成を有する胆管がん患者に対するファーストライン治療としてペミガチニブを検討する試験です。

FGFRおよびペミガチニブについて

線維芽細胞増殖因子受容体(FGFRs)は腫瘍細胞の増殖と生存、遊走、血管新生(新しい血管の形成)で重要な役割を果たします。FGFRsにおける活性化された融合、再構成、転座、遺伝子増幅はさまざまながんの発症と密接に相関しています。

ペミガチニブは、FGFRのアイソフォーム1、2、3に対する強力で選択的な経口阻害剤で、前臨床試験ではFGFR変異を持つがん細胞に対する選択的な薬理活性を示しています。米国食品医薬品局(FDA)はペミガチニブに対し、進行性/転移性または切除不能でFGFR2転座を持つ既治療の胆管がんの治療薬として画期的治療薬の指定を与えています。FDAによる画期的治療薬の指定の狙いは、早期臨床段階で有望な成績を示し、市販の医薬品と比べて大幅な改善を示す可能性がある重篤疾患の治療薬を対象に、その開発と審査を促進することにあります。

電話会議に関する情報

インサイトは投資家向け電話会議を開催し、本日2019年9月27日米国東部標準時(夏時間)午前11時00分(中央ヨーロッパ標準時午後5時00分)にウェブキャストします。電話会議とウェブキャストには、www.incyte.comで「Investor」セクションの「Events and Presentations」タブ経由でアクセスでき、30日間にわたり再生が可能です。

電話会議にアクセスいただく場合、米国内からは電話番号877-407-3042、米国外からは電話番号+1 201-389-0864をダイヤルしてください。会議ID番号の入力を求められたら、13694537を入力してください。

インサイトについて

インサイト・コーポレーションはデラウェア州ウィルミントンに拠点を置くバイオ医薬品企業として、専有的な治療薬の創薬・開発・商業化に傾注しています。インサイトの詳細情報については当社ウェブサイト(www.incyte.com)をご覧ください。

@Incyteをツイッター(https://twitter.com/Incyte)でフォローしてください。

将来見通しに関する記述

本プレスリリースに記載された内容は、歴史的情報を除き、ペミガチニブに関し進行中の当社臨床開発プログラムのデータ発表、同プログラムの潜在力、当社がペミガチニブのNDA申請を米国FDAに行うかどうかおよびその時期、ペミガチニブがFGFR2融合/再構成を有する胆管がん患者に対する有効な承認薬となるかどうかおよびその時期に関する記述を含め、予測や推定、その他将来見通しに関する記述を含んでいます。

これらの将来見通しに関する記述は、当社による現時点の予測に基づくものであり、リスクや不確実性の影響を受けます。それらのリスクや不確実性は、実際の結果が大きく異なる場合の原因となり得ます。それらのリスクや不確実性には、予期しない展開やリスクとして、予期しない遅延、今後の研究開発および臨床試験の結果が失敗となるか適用される規制基準を満たしたり開発継続を正当化するのに不十分であったりする可能性、臨床試験に十分な人数の患者を組み入れる能力、FDAによる決定、協業相手との関係への当社の依存、当社製品および当社提携先製品の有効性と安全性、当社製品および当社提携先製品の市場での受容、市場競争、販売・マーケティング・製造・流通の要件、予想を上回る経費、訴訟または戦略的活動と関連した経費、2019年6月30日締め四半期に対するフォーム10-Q報告書を含め、当社が証券取引員会に提出した報告書に随時詳述されたその他のリスクなどがあります。当社は、これら将来見通しに関する記述を更新する意図と義務を一切否認します。

References

  1. Banales JM, et al. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13:261‒280.
  2. Uhlig J, et al. Ann Surg Oncol. 2019;26:1993–2000.
  3. Graham RP, et al. Hum Pathol. 2014;45:1630‒1638.
  4. Farshidfar F, et al. Cell Rep. 2017;18(11):2780–2794.
  5. Ross JS et al. The Oncologist. 2014;19:235–242.

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