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2020年2月10日 (月)
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ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 世界規模の未充足医療ニーズに対処するための新規治療薬の開発に傾注するバイオ製薬企業の知臨集団(NASDAQ: APM)(アプトラム・グループ)は、ALS-4につき進行中の新薬臨床試験開始届(IND)準備研究から得た追加的な肯定的データを発表しました。低分子治療薬候補のALS-4はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、「スーパー耐性菌」の1種)など、黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス)によって引き起こされる感染症の治療を適応とするもので、新規の非殺菌性抗菌手法を基盤としています。進行中の研究が完了次第、当社は2020年下半期にALS-4に対するIND申請を行い、北米で第1相試験を開始することを目標としています。


ALS-4は黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)のデヒドロスクアレン・デサチュラーゼを阻害する低分子です。デヒドロスクアレン・デサチュラーゼは、黄色ブドウ球菌を覆って一般的に「黄金色の色素」として見えるスタフィロキサンチンの生合成に決定的に関与している酵素です。スタフィロキサンチンは、食細胞および好中球が生み出す活性酸素種(ROS)からの攻撃に対する細菌の防御機序で主たる役割を担っていると考えられています1

当社はALS-4がスタフィロキサンチン産生の阻害を通じ、黄色ブドウ球菌が宿主の免疫防御に高い感受性を示すようにするものと考えています(in vivoデータと実験の概要については下記を参照)。黄色ブドウ球菌の治療薬として現在販売されている抗生物質では薬剤耐性の問題が高まりを見せていますが、ALS-4の新しい作用機序はそれら抗生物質に見られる殺菌手法とは大きく異なります2。ヒトでのMRSA感染は特に高い罹患率と死亡率を示すのが一般的で、感染性心内膜炎や敗血症などの転移性/合併感染症をもたらす場合があり、黄色ブドウ球菌菌血症を発症後の再発および再入院は一般的で費用がかかります3

ラット菌血症生存モデルでの当社試験に基づき、致死量(109 CFU)のMRSA(USA300-LAC)を尾静脈経由で注入しました。ALS-4は動物1匹当たり10mg/kgを感染30分後、その後は1日2回、経口投与しました(N=9)。非処置対照群には無菌溶媒を投与しました(N=9)。生存率につき7日間モニタリングを行いました。非処置対照群では4日後に生存していた動物は9匹中0匹(0%))であったのに対し、ALS-4処置群では7日後に9匹中5匹(56%)が生存し、対照群との差は統計的に有意と判定されました(p=0.013)。

当社はさらにラット非致死量菌血症感染モデルでの研究を実施しました。動物には非致死量(107 CFU)のMRSA(USA300-LAC)を尾静脈経由で注入しました。より現実的な臨床シナリオをシミュレートするため、処置は動物モデルで感染を誘導してから14日後に開始し、動物1匹当たり10mg/kgのALS-4の1日2回経口投与としました(N=8)。非処置対照群には無菌溶媒を投与しました(N=8)。ALS-4処置開始から7日後、腎臓を回収し細菌力価を測定しました。注目すべき点として、ALS-4は臓器の細菌量を99.5%、すなわち対照群の63,096±18 CFU/gからALS-4処置群の316±49 CFU/gにまで低減し、この低減は統計的に有意と判定されました(p=0.01)。

最後になりますが大事なこととして、ALS-4は黄色ブドウ球菌11株でスタフィロキサンチン産生を成功裏に阻害しています。これらの菌株は、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)5株、すなわちSH1000、HG003、USA300-JE2、Newman、ATCC29213(IC50はそれぞれ70.5±6nM、54.4±4nM、37.7±4nM、23.7±1nM、30.02±5nM)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が5株、すなわちUSA300、USA300-3、USA300-LAC、ST239III、COL(IC50はそれぞれ30.8±5nM、42.8±6nM、43.6±5nM、16.3±8nM、0.9±1nM)、バンコマイシン中等度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)が1株でMu3(IC50は2.6±1nM)となります。

当社の試験結果に基づき、ALS-4はスタフィロキサンチン産生を阻害することで、MRSAを含む黄色ブドウ球菌の酸化損傷に対する感受性を高めると当社は考えています。過酸化水素キリングアッセイでは、1.5% H2O2添加後にALS-4は細菌CFU をさらに93.5%、非処置群の61,600±6437 CFU/mlからALS-4処置群の4,000±230 CFU/mlまで低減し、この低減は統計的に有意と判定されました(p=0.003)。

長期曝露後に黄色ブドウ球菌に抗生物質耐性を誘導するALS-4の能力を検討する研究に関しては、USA300-LACを3つの異なる条件で10日間培養しました。処置群では1 µMのALS-4を添加し、陽性対照群には0.12 µg/mLのクリンダマイシンと16 µg/mLのエリスロマイシンを1日目から4日目まで添加し、その後クリンダマイシンの添加を中止しました。陰性対照群にはジメチルスルホキシド(DMSO)を添加しました。11日目に菌を採取し、クリンダマイシンのMIC測定のため16時間培養しました。ALS-4またはDMSOへの長期曝露は、クリンダマイシンのMIC値に影響を与えませんでしたが(0.12 µg/mL)、クリンダマイシン+エリスロマイシンへの長期曝露は、抗生物質耐性を速やかに誘発し、MICは0.12 µg/mLから5 µg/mL以上に上昇しました。

当社の研究結果に基づき、ALS-4は非殺菌性であるために薬剤耐性を生じにくいと当社は考えています。増殖阻害試験を異なる菌株の黄色ブドウ球菌およびその他の細菌、すなわち3株のMSSA(ATCC29212、SH1000、HG003)、1株のMRSA(USA300)、1株のVISA(ATCC700698 Mu3)、さらに6種類の異なる細菌(E. coli、A. baumannii、S. cerevisiae、B. subtilis、E. faecalis、K. pneumoniae)を対象に実施しました。試験対象となった細菌のいずれでも、試験された最も高い濃度(250uM)のALS-4で増殖阻害作用は観察されませんでした。従ってALS-4は、多種の細菌に対し直接的な静菌作用ないし殺菌作用を持たないとみられ、そのため薬剤耐性の発現をもたらす選択圧を大幅に低減します。

当社はまた、MRSAが引き起こす感染症の治療で頼みの綱とされているバンコマイシンの有効性に対し、ALS-4の併用が与える潜在的影響の評価も実施しました。この研究では異なる8株の黄色ブドウ球菌(USA300 FPR3757、USA300-3、USA300-LAC、USA300-JE2、Mu3、HG003、ATCC29213、臨床分離ST239III)を使用しました。当社が得たデータでは、ALS-4の濃度が25 μMを下回る場合にバンコマイシンのMICに影響はないことが示されました。従ってALS-4はバンコマイシンの作用を妨げないと当社は考えます。

また黄色ブドウ球菌による感染症の治療として現時点で頼みの綱とされているバンコマイシンやダプトマイシンなどは、一般的に静脈注射剤の形で投与されますが(例外はクロストリジウム・ディフィシル関連の下痢とブドウ球菌全腸炎の治療にのみ特別に使用されるバンコマイシンの経口剤)、経口投与の薬理活性物質はそれらの静脈注射剤と比較して、外来患者と潜在的な予防医療の両市場を標的により広範な市場浸透を可能にします。

GLP毒性データ

ALS-4はIND準備研究が進行中で、これまでのところ良好な安全性プロファイルを示しています。発表済みの2019年9月9日付当社プレスリリースで説明されているように、ALS-4はin vitroエームズ試験で何らの変異原性も示しませんでした。また当社がin vitro小核試験でこれまでに生み出した結果も、ALS-4に遺伝子毒性はないことを示すもので、本薬が本質的に非変異原性であることを示しています。さらにin vitro hERGアッセイの検査結果から、ALS-4が心臓のQT延長をもたらすリスクは低いことが予想されます。

詳細な一般向け説明についてはこちらをご覧ください:http://ir.aptorumgroup.com/static-files/bcf77574-7bd6-4b9d-8110-d53837238f16

詳細な技術的説明についてはこちらをご覧ください:http://ir.aptorumgroup.com/static-files/66346f79-7a03-474a-89be-0eaafaa00d9d

知臨集団について

知臨集団(アプトラム・グループ)(Nasdaq:APM)は、未対応医療ニーズを対象に新規治療薬の開発と商品化に取り組む製薬会社です。知臨集団は、希少疾患、感染症、代謝性疾患、その他の疾病領域の治療プロジェクトを進めています。

知臨集団の詳細情報については、www.aptorumgroup.comをご覧ください。

免責事項と将来見通しに関する記述

本プレスリリースには、1995年民事証券訴訟改革法の意味における「将来見通しに関する記述」を構成する知臨集団、その将来の予想、計画、見込みに関係する記述が含まれています。この目的においては、本文書に含まれている記述で過去の事実の記述でないものはすべて、将来見通しに関する記述とみなされることがあります。場合によっては、「かもしれない」、「すべき」、「予想する」、「計画する」、「予期する」、「あり得る」、「意図する」、「目指す」、「予測する」、「検討する」、「考える」、「推定する」、「予見する」、「潜在的」、「継続する」といった用語やその否定表現、その他類似の表現によって将来見通しに関する記述を特定できることがあります。知臨集団は、承認申請と臨床試験で計画しているスケジュールに関する記述を含め、このような将来見通しに関する記述に関して、自社がその事業、財務状態、業績に影響を及ぼし得ると考える将来の事象や動向についての現在の予想と予測を主な拠り所としています。このような将来見通しに関する記述は、本プレスリリースの日に関してのみ述べるものであり、いくつかのリスク、不確実性、仮定の影響を受けます。関係するリスクには、発表されている経営陣および組織の変更、主要人員の継続的勤務や確保可能性、新たな消費者セグメントに向けた新たな製品を提供することによって製品の品揃えを拡大する能力、開発の結果、当社が予期している成長戦略、当社事業において予期される動向および課題、サプライチェーンに関する予想とその安定性およびリスクに関するものが含まれますが、これらに限られません。これらは、知臨集団のフォーム20-F報告書や将来知臨集団がSECに提出するその他の提出物の中でより詳細に記述されています。その結果、そうした将来見通しに関する記述に含まれる予想は変化する場合があります。知臨集団は、新たな情報、将来の事象、その他の結果として本プレスリリースに含まれる将来見通しに関する記述を更新する義務を負いません。


1 mBio 2017 8(5): e01224-17
2 Microbiol Spectr. 2019 Mar;7(2)
3 Clin Infect Dis. 2019 Nov 27;69(12):2112-2118

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


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