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2021年5月24日 (月)
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  • バベンチオのピボタル試験の新しい解析結果により、進行性尿路上皮がんの治療において、異なるサブグループ間での独特な臨床効果の証拠が強化される
  • テプミトコのVISION試験の新データはMETex14スキッピングNSCLCにおいて液体生検で同定されたバイオマーカーと臨床反応の関連性を示しており、治療効果をモニタリングする手段としての液体生検を支持
  • テプミトコは、脳転移を有するMETex14スキッピングNSCLC患者において、全治療集団と同様の有効性を示した
  • 独立研究の口頭発表により、RAS wt mCRCの第一選択療法におけるエルビタックスの位置付け、またそのSCCHN治療におけるバックボーンとしての位置付けが強化される

独ダルムシュタット--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --


本リリースは英国、米国、カナダのメディア向けを意図しておりません。

科学技術の一流企業であるメルクは本日、2021年6月4~8日に開催される今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で、当社の革新的なオンコロジーポートフォリオを代表するものとして、企業スポンサー研究や医師スポンサー研究(ISS)および外部との共同研究から、7件の口頭発表と7件のポスターディスカッションを含む40件のアブストラクトを報告すると発表しました。

メルクのヘルスケア事業の開発担当グローバルヘッドを務めるダニー・バー・ゾハーは、次のように述べています。「尿路上皮がんと非小細胞肺がんを対象とする当社のピボタル試験は規制当局がバベンチオ(アベルマブ) およびテプミトコ(テポチニブ)を最近承認したことにつながりましたが、これらにおける新たな解析結果は未充足ニーズが高い特定のがんの新たな標準治療を当社の研究が前進し続けていることを示しています。これらの解析結果は、現在研究中の新しい機序を理解するための情報を提供する追加データと共に、患者さんにとって意味のある変化をもたらすためにがん治療の科学を前進させることに貢献する当社の取り組みを示す最新の例です。」

当社の研究プログラムは、がん免疫療法、発がん経路、DNA損傷反応(DDR)における相乗的な手法に力点を置いており、尿路上皮がん(UC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、腎細胞がん(RCC)、大腸がん(CRC)、子宮頸がん(CC)など、最も困難な種類の腫瘍タイプに取り組むことを目指しています。

ASCOで発表する重要データのハイライト

バベンチオ(アベルマブ)
バベンチオ(アベルマブ)の3つの承認済み適応症で得たデータは、患者にとっての継続的な利点をさらに証明するものです。

  • 進行性尿路上皮がん(発表:4520、4525、4527)。第 3相JAVELIN Bladder 100 試験の新たな解析から、化学療法終了から維持療法開始までの無治療期間、病期、転移部位、ゲノムサブタイプで規定されるものを含む主要なサブグループにおいて、第一選択維持療法としてのバベンチオ(アベルマブ)の一貫した生存率上の利点が実証された。これらのデータは、プラチナ製剤を含む第一選択化学療法で進行しなかった進行性尿路上皮がん患者に対するバベンチオの役割をさらに強化するもの。
  • 進行性腎細胞がん(aRCC)(発表:4514、4574)。第3相JAVELIN Renal 101試験の延長追跡調査のデータに基づき、バベンチオ(アベルマブ)とアキシチニブの併用療法を受けたaRCC患者の転帰に及ぼす後続治療の影響を追究したところ、有利なリスクグループを含む国際転移性RCCデータコンソーシアム(IMDC)分類のリスクグループ全体で併用療法の有効性が確認された。
  • 転移性メルケル細胞がん(mMCC)(発表:9517)。前治療歴のある転移性メルケル細胞がん(mMCC)患者において、バベンチオ(アベルマブ)治療により、第2相JAVELIN Merkel 200試験のパートAにおける5年以上の追跡調査に基づき、48カ月および60カ月のOS率はそれぞれ30%(95%CI、20%-40%)および26%(95%CI、17%-36%)となり、意義のある長期全生存期間(OS)を達成した。これらの結果は、mMCC患者の標準治療としてのアベルマブの役割をさらに支持するもの。

テプミトコ(テポチニブ)
ASCOで発表するテプミトコ(テポチニブ)のハイライトには、第2相VISION試験からの新しいデータが含まれます。

  • METex14 NSCLCバイオマーカーの反応が液体生検(LBx)で検出された(アブストラクト、口頭発表:9012)。本解析では、テポチニブ治療後におけるバリアントのアレル頻度の低下が治療成績の改善に関連していた。さらに、本研究は、液体生検が治療効果をモニタリングし、抵抗性の機序を理解するとともに、患者転帰と生活の質を向上させる上で、信頼性の高い手段となり得ることの証拠を提示している。
  • 脳転移を有するMETex14スキッピング変異陽性NSCLC(発表:9084)。データによると、脳転移を有する上皮間葉転換(MET)エクソン14(METex14)スキッピング変異陽性NSCLC患者における有効性は全治療集団と一致しており、CT/MRIによる脳病変のアドホックな後ろ向き解析で示された頭蓋内活性によって証拠が補完されている。脳転移はMETex14スキッピング変異陽性NSCLC患者の20~40%で報告されており、予後不良を伴う。
  • MET遺伝子増幅(METamp)を伴うNSCLC(発表:9021)。液体生検で前向きに検出されたMETampを有するNSCLC患者を対象とするMET阻害剤の試験として初めてのVISIONコホートBで観察された臨床活性は、特に未充足ニーズが高い未治療という条件において、METampがドライバーとなる疾患を標的とするテポチニブの可能性を示した。METampは、NSCLC患者の約1~5%に見られる遺伝子変異で、承認済みの標的治療薬がない。

テポチニブは、進行中の試験2件でも研究されており、患者を募集中です。INSIGHT 2(発表:TPS9136)は、MET増幅によりオシメルチニブの第一選択薬に抵抗性を示した上皮成長因子受容体(EGFR)変異NSCLC患者を対象に、オシメルチニブとテポチニブの併用療法を評価するものです。PERSPECTIVE(発表:TPS3616)では、MET増幅により抗EGFR抗体を標的とした治療薬に抵抗性を獲得したmCRCを対象に、テポチニブとセツキシマブの併用療法を評価しています。

エルビタックス(セツキシマブ)
生物学を駆使した当社初の有力な医薬品であるエルビタックス (セツキシマブ)については、多くのISSやテプミトコ(テポチニブ)との併用によるPERSPECTIVE試験により、転移性大腸がんの一連の療と、頭頸部扁平上皮がん治療におけるバックボーンとしての安定した役割が一貫して実証されています。

  • DEEPER “JACCRO CC-13”(口頭発表:3501)。RAS wt mCRCの第一選択療法において、セツキシマブ+トリプレットCTはベバシズマブ+トリプレットCTと比較して、有意に高い奏効の深さを示した。
  • FIRE 4.5 “AIO KRK-0116”(口頭発表:3502)。BRAF mt mCRCの第一選択療法において、セツキシマブとベバシズマブの間で同等の有効性が示された。
  • TROG 12.01およびDe-ESCALaTE(口頭発表:109)。2件の第3相試験の統合分析から、HPV陽性口腔咽頭がん(OPC)LA SCCHN患者がセツキシマブ+RT治療を受けた場合の潜在的な予後バイオマーカーを確認。

ビントラフスプアルファ (M7824)
2つの作用機序を持つ融合タンパク質の治験薬であるビントラフスプ・アルファのデータにより、TGF-β経路とPD-L1経路の二重阻害による潜在的効果に光が当てられ続けています。

  • 再発転移性子宮頸がん(口頭発表:5509)。第1相INTR@PID Solid Tumor 001試験および米国国立がん研究所(NCI)主導の第2相試験のデータに基づく統合解析から、プラチナ製剤で治療され、免疫チェックポイント阻害剤による治療歴がない再発/転移性子宮頸がん患者において、ビントラフスプ・アルファ単剤療法は管理可能な安全性プロファイルと臨床活性を持つことが実証された。
  • HPV16+進行性悪性腫瘍(口頭発表:2501)。進行性HPV 16+がん患者を対象にNCIが主導した第2相臨床試験のデータにより、ビントラフスプ・アルファ、NHS-IL12、PDS0101の3剤併用療法の臨床活性が管理可能な安全性プロファイルと共に早期に証明された。

メルクは科学主導の組織として、がんを罹患した人々の生活に意義ある変化をもたらすことを目標に、変革力のある医薬品の提供に専心しています。オンコロジー分野における当社の研究活動では、発がん経路、腫瘍免疫療法、DNA損傷反応(DDR)という相乗効果のある当社ポートフォリオを活用して、消化器がん、泌尿生殖器がん、胸部がんの困難な腫瘍型に対処することを狙っています。当社は最も複雑ながんであっても好奇心に駆られて治療法の追求に取り組んでおり、患者さんの治療成績を変える科学的ブレークスルーへの道を照らすべく活動しています。詳細はhttps://www.merckgrouponcology.comをご覧ください。

バベンチオ(アベルマブ)について
バベンチオは、ヒト型抗プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)抗体です。バベンチオは、前臨床モデルにおいて、適応免疫と自然免疫の両機能に関与することが示されています。バベンチオは、前臨床モデルにおいて、PD-L1とPD-1受容体との相互作用を阻害することで、T細胞を介した抗腫瘍免疫反応の抑制を解除することが示されています。2014年11月、メルクとファイザーは、バベンチオを共同で開発・商業化するための戦略的提携を発表しました。

バベンチオの承認済み適応症
欧州委員会(EC)は、バベンチオ単剤療法の使用について、白金製剤を用いた化学療法後に無増悪の局所進行性/転移性尿路上皮がん(UC)成人患者の第一選択維持療法として承認しています。バベンチオとアキシチニブの併用療法は、進行性腎細胞がん(RCC)の成人患者の第一選択療法が適応として承認済みです。また、バベンチオは、転移性メルケル細胞がん(MCC)の成人患者に対する単剤療法として、ECから承認されています。

バベンチオは、米国において、プラチナ製剤を含む第一選択化学療法で進行しなかった局所進行性/転移性尿路上皮がんの患者の維持療法が適応となっています。バベンチオは、白金製剤を含む化学療法の実施中または実施後に病状が進行した局所進行性/転移性の尿路上皮がんの患者や、白金製剤を含む化学療法による術前補助化学療法または術後補助化学療法から12カ月以内に病状が進行した同患者の治療も適応となっています。

バベンチオとアキシチニブの併用療法は、進行性RCC患者の第一選択療法として米国で適応となっています。さらに、米国食品医薬品局(FDA)は、転移性MCCの成人患者および12歳以上の小児患者の治療薬としてバベンチオを迅速承認に基づき承認しました。本適応症は、腫瘍反応率と奏功期間に基づいて迅速承認されました。本適応症の承認継続は、検証的試験における臨床的利点の検証と説明が条件となります。

バベンチオは現在、50カ国で少なくとも1つの適応が患者に承認されています。

EUの製品特性概要(SmPC)に基づくバベンチオの安全性プロファイル
バベンチオ単剤療法を使用するに当たっての特別な警告および注意には、注入関連反応に加え、肺炎および肝炎(致死例を含む)、大腸炎、膵炎(致死例を含む)、心筋炎(致死例を含む)、内分泌障害、腎炎および腎機能障害などの免疫関連有害反応が含まれます。バベンチオをアキシチニブと併用する場合の特別な警告および注意には、肝毒性が含まれます。

固形がん患者におけるバベンチオ単剤療法で最も一般的な有害反応のSmPCリストには、疲労、悪心、下痢、食欲減退、便秘、注入関連反応、体重減少、嘔吐が含まれます。バベンチオとアキシチニブの併用療法で最も一般的な有害反応は、下痢、高血圧、疲労、悪心、発声障害、食欲減退、甲状腺機能低下症、咳、頭痛、呼吸困難、関節痛などです。

テプミトコ(テポチニブ)について
テプミトコは、MET(遺伝子)の変異によって引き起こされる発がん性MET受容体のシグナル伝達を阻害する経口MET阻害剤です。ドイツ・ダルムシュタットのメルクが創薬・開発したテプミトコは、非常に選択的な作用機序を持っており、予後が悪くこれら特定の変異を有する浸潤性腫瘍の治療成績を改善する潜在力があります。

テプミトコは、MET遺伝子変異を有する進行性NSCLCの治療薬として世界で初めて承認された経口MET阻害剤であり、日本では2020年3月に承認されました。テプミトコは、2021年2月に米国で、上皮間葉転換(MET)エクソン14スキッピング変異を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療薬として承認されました。本適応症は、全奏功率および奏功期間に基づいて迅速承認されたものです。本適応症の承認継続は、検証的試験における臨床的利点の検証と説明が条件となります。テポチニブは現在、臨床試験中であり、日本と米国以外の市場ではまだ承認されていません。

エルビタックス(セツキシマブ)について
エルビタックスは、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするIgG1モノクローナル抗体です。モノクローナル抗体としてのエルビタックスの作用機序は、標準的な非選択的化学療法とは異なり、EGFRを特異的な標的としてこれに結合します。この結合により、受容体の活性化とそれに続くシグナル伝達経路が阻害され、その結果として腫瘍細胞による正常組織への浸潤と新たな部位への腫瘍の転移が両方とも抑制されます。また、化学療法や放射線療法によって生じた損傷を修復する腫瘍細胞の能力を阻害し、腫瘍内の新しい血管の形成を阻害することで、腫瘍の成長を全体的に抑制するらしいと考えられています。また、エルビタックスは、インビトロの証拠に基づき、EGFRを発現している腫瘍細胞に対する細胞傷害性免疫エフェクター細胞に作用します(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害[ADCC])。

エルビタックスは既に、RAS野生型転移性大腸がんおよび頭頸部扁平上皮がんの治療薬として、世界100カ国以上で販売承認を取得しています。メルクは、1998年にイーライリリー・アンド・カンパニーの完全子会社であるイムクローンから、米国およびカナダ以外の地域でイムクローンの登録商標であるエルビタックスを販売する権利をライセンスされています。

ビントラフスプアルファについて
ビントラフスプ・アルファ(M7824)はメルクが創薬したもので、現在はGSKとの戦略的提携により臨床開発の段階にあります。ファーストインクラスとなる可能性のある2つの作用機序を持つ融合タンパク質であり、腫瘍微小環境においてTGF-βとPD-L1という2つの免疫抑制経路を同時に阻害するよう設計されています。この2つの作用機序は、抗腫瘍反応を潜在的に回復・増強することで腫瘍の成長を抑制すると考えられています。前臨床試験において、ビントラフスプ・アルファは、単剤療法および化学療法との併用で抗腫瘍効果を示しました。ビントラフスプ・アルファは、その作用機序に基づき、治療が困難ながんの根本的な病態生理に対処するための標的型手法となる可能性を秘めています。

メルクのプレスリリースはすべて、メルクのウェブサイトに掲載されると同時に電子メールで配信されます。オンライン登録、選択の変更、本サービスの停止については、www.merckgroup.com/subscribeにアクセスしてください。

メルクについて
科学技術の一流企業であるメルクは、ヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスの分野で事業を営んでいます。約5万8000人の社員が、より楽しく持続可能な生き方を創造することで、何百万という人々の日常生活を改善すべく働いています。遺伝子編集技術の発展から最も困難な疾患を治療するための独自の方法の発見、デバイスの知能化の実現まで、メルクはあらゆる分野で活動しています。2020年、メルクは66カ国で175億ユーロの売上高を上げました。

科学的な探求と責任ある起業家精神が、メルクによる技術と科学の進歩において重要な位置を占めています。メルクは1668年の創業以来、このようにして繁栄してきました。創業家は現在もこの上場企業の株式の過半数を保有しています。メルクは、Merckの名称とブランドの世界的な権利を保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国におけるメルクの事業部門は、ヘルスケア分野でEMDセローノとして、ライフサイエンス分野でミリポアシグマとして、またEMDエレクトロニクスとして活動しています。

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