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2015年11月29日 (日)
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NINLAROは過去に少なくとも1種類の治療を受けた多発性骨髄腫患者に新しい選択肢を提供

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE: 4502)は本日、米食品医薬品局(FDA)がNINLARO®(イキサゾミブ)カプセル剤を承認したと発表しました。NINLAROはレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に1種類以上の治療を受けた多発性骨髄腫患者の治療を適応とする経口プロテアソーム阻害薬として初にして唯一の治療薬です。NINLAROは週1回投与のカプセル剤です。詳細情報についてはwww.NINLARO.comをご覧ください。



武田薬品は2015年7月にNINLAROの新薬承認申請をFDAに提出し、9月に優先審査の指定を受け、PDUFA(審査終了目標日)は2016年3月10日とされました。これは健康に重大な影響をもたらし、再発を繰り返す根治困難な希少がんである多発性骨髄腫に対する新しい治療薬への深刻な未充足ニーズが存在し続けていることを反映しています。

ジェローム・リッパー多発性骨髄腫センターの臨床プログラムリーダー兼臨床研究ディレクターで、ダナ・ファーバーがん研究所の在籍医師を務め、本日の承認の基礎となったピボタル第3相試験TOURMALINE-MM1の治験責任医師であるポール・リチャードソン医師(M.D.)は、次のように述べています。「NINLAROの承認により、非常に有効な3剤併用療法の一部として週1回投与の経口プロテアソーム阻害薬を患者に提供できることになりました。私たちはTOURMALINE-MM1試験の治験責任医師として、 高齢患者、中等度の腎疾患を持つ患者、軽鎖疾患の患者、細胞遺伝学的に高リスクの患者など、再発性/難治性多発性骨髄腫の中で最も一般的な患者タイプの一部を含む “実臨床”条件で、この併用療法の包括的な評価を実施することが非常に重要であると感じていました。さらに私たちは、再発性/難治性多発性骨髄腫の治療でNINLAROによる継続治療が可能かどうかを確認するために、病気が進行するまで患者を治療しました。TOURMALINE-MM1試験のデータは、NINLAROをベースとした経口3剤併用療法が無増悪生存期間の延長に有効で、レナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法が持つ臨床的利益を上回り、忍容できる安全性プロファイルを備えることを示すものです。」

武田薬品の最高医学・科学責任者(CMSO)であるアンドリュー・プランプ(M.D.、Ph.D)は、次のように述べています。「当社は約20年前、多発性骨髄腫に対する初のプロテアソーム阻害薬ベルケイドの臨床研究に着手しました。それ以来、当社はこの希少がんに対する科学的理解を大きく前進させ、最終的にはNINLAROの導入に至りました。NINLAROはまったく新しい分子で、このプロテアソーム阻害薬の有効性を週1回投与の便利なカプセル剤の形で提供し、しかも忍容できる安全性プロファイルを持っています。武田薬品は多発性骨髄腫患者にこの重要な革新成果を届けられることをうれしく思うとともに、今後も充実した臨床開発プログラムを通じてNINLAROの潜在能力を検討していきます。」

国際骨髄腫財団(IMF)の会長であるDr. Brian Durieは、次のように述べています。「IMFはイキサゾミブの承認をうれしく思います。この承認は完全な経口プロテアソーム阻害薬ベースの3剤併用療法への扉を開くものです。多発性骨髄腫の分野で何十年も仕事をし、顕著な進歩を目の当たりにしてきましたが、それでも大きな未充足ニーズが依然として存在します。本日の承認により、多発性骨髄腫患者にとって魅力的な選択肢を新たに手にしました。」

FDAによるNINLAROの承認は、第3相臨床試験TOURMALINE-MM1の結果に基づいています。本試験はプロテアソーム阻害薬の初の二重盲検プラセボ対照試験です。TOURMALINE-MM1は、進行中の第3相臨床試験5件の中で初めて試験結果が得られたものです。TOURMALINEプログラムにはこれまでに40カ国で約3000人の患者が組み入れられています。NINLAROのピボタル第3相試験TOURMALINE-MM1から得られたデータは、2015年12月7日に開催される第57回米国血液学会年次総会で発表されます。

多発性骨髄腫研究財団(MMRF)の創設者で常勤会長を務めるキャシー・ジュスティ氏は、次のように述べています。「イキサゾミブの承認により、多発性骨髄腫治療で切望されていた新たな選択肢が提供されます。このような進展が、本疾患への理解を深め、患者に希望を与え続けるのです。現在のがん診断は、数年前のものとは異なっており、進歩し続ける状況を目の当たりにできることは感激的です。私は患者として、武田薬品と行ったように、新たな治療選択肢をもたらす提携関係を通じて、研究を前進させることが急務であることを理解しています。」

Takeda Oncologyのクリストフ・ビアンキ社長(M.D.)は、次のように述べています。「NINLAROは世界的な開発プログラムに支えられた革新成果という部類では初となるもので、武田薬品の私たちにとっても先例がありません。参加いただいた患者の皆様には、驚くべき強さを示され、計り知れない価値を実現されたことに深く感謝します。NINLAROは、その有効性/安全性プロファイルに加え、完全な経口投与剤である点により、患者の負担をいくらか軽減できるとともに、患者がこの継続治療の恩恵を全面的に享受できるため、NINLAROの導入は重要な前進となります。武田薬品は、20年にわたる確固としたコミットメントの一環として、今後もこれら患者のための進歩を追求し、世界中の他の市場にNINLAROを導入してNINLAROへのアクセスを拡大していきたいと思います。」

TOURMALINE-MM1試験について

TOURMALINE-MM1試験は患者722人を対象とした国際ランダム化二重盲検プラセボ対照試験で、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を患う成人患者を対象に、プラセボとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法との比較でNINLAROとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法を評価するようにデザインされています。試験結果はNINLAROが無増悪生存期間(PFS)の延長に有効で、管理可能な安全性プロファイルを持つことを示しました。試験は主要評価項目を達成し、臨床的に有意義で統計的に有意なPFSの延長を今回の分析で示し、 NINLARO群で治療を受けた患者は、対照群の患者と比較して、病気が悪化することなく生存期間が有意に延長しました。患者は病気が進行するまで本試験で治療を継続し、長期転帰の評価を受けます。

TOURMALINE-MM1試験でNINLARO投与患者の間で最も多く発生した有害反応(20%以上)は下痢、便秘、血小板減少症、末梢神経障害、悪心、末梢性浮腫、嘔吐、背部痛でした。患者の2%以上で報告された重篤有害反応は血小板減少症(2%)と下痢でした(2%)。

有効性・安全性データは独立データモニタリング委員会(IDMC)が評価し、試験を盲検下で継続して、全生存期間(OS)と長期安全性を含む長期転帰を今後も評価するよう勧告しました。

NINLARO(イキサゾミブ)カプセルについて

NINLARO(イキサゾミブ)は、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応とする経口プロテアソーム阻害薬として初にして唯一の治療薬です。NINLAROは28日間の治療サイクルで週1回、治療開始1日目、8日目、15日目に経口投与します。NINLAROは現在、欧州医薬品庁(EMA)が審査中で、欧州医薬品評価委員会(CHMP)より迅速審査の指定を受けています。またNINLAROは2014年に、関連する超希少疾患の再発性もしくは難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する画期的新薬の指定を米FDAから受けました。

武田薬品は世界各国の多発性骨髄腫患者と、その治療に当たっている医療専門家のため、革新的な治療薬の開発に真剣な努力を傾けているところであり、TOURMALINE臨床開発プログラムはこうした現行の取り組みをさらに強化するものです。5件の世界的な第3相試験が進行中です。

  • TOURMALINE-MM1では、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM2では、新規に多発性骨髄腫と診断された患者を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM3では、新規に多発性骨髄腫と診断された患者を対象に導入療法および自家幹細胞移植(ASCT)後の維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-MM4では、新規に多発性骨髄腫と診断され、自家幹細胞移植を受けていない患者を対象に維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
  • TOURMALINE-AL1では、再発性または難治性のALアミロイドーシス患者を対象に、イキサゾミブとデキサメタゾンの併用療法を医師が選択した特定のレジメンと比較検討しています。

TOURMALINEプログラムに加え、世界各国で数多くの研究者主導研究により、患者のためにイキサゾミブの評価が行われています。

進行中の第3相試験の詳細情報についてはwww.clinicaltrials.govをご覧ください。 NINLAROの詳細についてはwww.NINLARO.comをご覧いただくか、1-844-N1POINT (1-844-617-6468)までお電話ください。

重要な安全性情報 – 専門家向け

警告および注意

  • 血小板減少症がNINLAROで報告されています。治療中は血小板数を少なくとも月1回モニタリングし、最初の3サイクルではさらにモニタリング頻度の増加を検討します。必要に応じ投与量を変更します。血小板のナディアは28日サイクルのそれぞれで14日~21日目に出現し、次のサイクルの開始までにベースラインまで回復しました。
  • 消化管毒性(下痢、便秘、悪心、嘔吐)がNINLAROで報告され、下痢止め薬と制吐薬の使用、および支持療法が必要となる場合があります。重度の症状では投与量を変更します。
  • 末梢神経障害(感覚神経優位)がNINLAROで報告されています。末梢神経障害の症状につき、患者をモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。
  • 末梢性浮腫がNINLAROで報告されています。体液貯留につきモニタリングします。根本原因を適宜究明し、必要に応じ支持療法を実施します。必要に応じ投与量を変更します。
  • 皮膚反応:発疹(最も多くの場合は斑点状丘疹と斑状発疹)がNINLAROで報告されています。支持療法または投与量変更により発疹を管理します。
  • 肝毒性がNINLAROで報告されています。治療中は肝酵素を定期的にモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。
  • 胚・胎児毒性:NINLAROは胎児に害を及ぼす場合があります。女性には胎児への潜在的リスクについて知らせ、妊娠を避け、治療中およびNINLAROの最終投与からさらに90日間は避妊法を用いるよう助言します。

有害反応

NINLAROによる治療を受けた患者の20%以上で発生した有害反応で最も頻度が高かったのは、下痢、便秘、血小板減少症、末梢神経障害、悪心、末梢性浮腫、嘔吐、背部痛でした。

特定集団

  • 肝障害:中等度から重度の肝障害を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3 mgに減らします。
  • 腎障害:透析を必要とする重度の腎障害または末期腎疾患を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3 mgに減らします。NINLAROは非透析性です。
  • 授乳婦:女性にはNINLARO投与期間中は授乳を中止するよう助言します。

薬物相互作用:強力なCYP3A誘導薬とNINLAROの併用は避けます。

適応症

NINLARO(イキサゾミブ)は、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応としています。

添付のNINLAROの完全な処方情報をご覧ください。

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、骨髄に見られる形質細胞のがんです。多発性骨髄腫では形質細胞の一群、すなわち骨髄腫細胞ががん化して増殖し、形質細胞の数を正常よりも多い水準まで増やします。形質細胞は体内を広く循環するため、体内の多くの骨に影響を与え、圧迫骨折、溶骨病変、それらに関連する疼痛をもたらす可能性があります。多発性骨髄腫は骨、免疫系、腎臓、赤血球数に影響する深刻な健康問題を数多くもたらす場合がありますが、最も一般的な症状には骨痛と、貧血の兆候である疲労が含まれます。多発性骨髄腫はまれな形態のがんで、米国では年間2万6000人以上、世界では年間約11万4000人が新規に多発性骨髄腫と診断されています。

武田薬品について

日本の大阪を拠点とする武田薬品(TSE: 4502)は研究を基礎に据える世界的企業として、医薬品に力点を置いています。日本最大の製薬企業であり、業界の世界的リーダー企業の一角を占める武田薬品は、医薬品の革新をリードすることで世界中の人々の健康改善に真剣な努力を傾けています。

武田薬品の詳細情報については、企業ウェブサイト(www.takeda.com)をご覧ください。

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