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2018年5月30日 (水)
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夜尿症は遺伝性である可能性:親が夜尿症であった小児の方が夜尿症となる可能性が高い1


夜尿症に関する世界初のゲノムワイド関連解析(GWAS)が夜尿症のリスクを増大させる特定の遺伝的変異を特定

夜尿症の遺伝的要素のさらなる描出が夜尿症になりやすい小児の発見に役立ち、個別化療法の改善をもたらす可能性

スイス・サンプレ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 世界初のゲノムワイド関連解析(GWAS)から得られた新たな証拠は、夜尿症と関連する遺伝子や遺伝的変異を特定し、夜尿症になりやすい小児の早期発見と早期治療選択肢の改善をもたらし得るものです。解析結果は2018年5月29日の世界夜尿症デーで、国際小児禁制学会(ICCS)と欧州小児泌尿器科学会(ESPU)が発表を行います。

オーフス大学生物医学科のJane Hvarregaard Christensen准教授と共にこの新しい研究を担当したオーフス大学病院腎臓病・泌尿器チーム小児・青少年科のSøren Rittig教授(医師)は、次のように述べています。「私たちは1世紀以上前から、夜尿症には遺伝的背景があることを示す強い証拠があることを知っていました2。片親が小児期に夜尿症を患っていた場合に子供が夜尿症になるリスクは5~7倍高く、両親が共に夜尿症だった場合は約11倍高くなります1。」

夜尿症は一般的な病気で小児の自尊心、情緒的安寧、学業や社会的成果を含む日中機能に重大な影響を及ぼし3,4,5、治療後に作業記憶や他の日常活動の改善が観察されています6

GWASは、ADHDや自閉症などを研究するために収集されたデンマークの個人約8万人から得た人口に基づく全国的なiPSYCH2012サンプルを使用しました。ゲノムワイド関連解析では大規模な人数の全ゲノムにわたってマーカーをスキャンし、特定の疾患と関連した遺伝的変異を発見します。

Jane Hvarregaard Christensen准教授は「私たちは夜尿症の小児から得た何千というDNAサンプルにおける何百万という遺伝的変異の頻度を比較することで、それぞれが夜尿症リスクの増大の一因となる特定の遺伝的変異を示すことができました。今回の研究で関係があるとされた遺伝子は、脳の深部で機能することが判明していて、昼夜リズム、尿の産生、睡眠の調節を担当している遺伝子です。このことは、夜尿症の原因が心理的問題というよりも生理的メカニズムと関連しているという考えを支持するものです」と述べています。これは夜尿症につながる生物学的プロセスに切り込む上で、新たな知見を得るための最初の重要な前進となります。

小児が夜尿症となる主因が少なくとも2つ存在します。膀胱容量の減少もしくは夜間における尿の産生増大(多尿症)またはその両方です。研究者らは夜尿症の小児における何百万という遺伝的変異の分析を通じ、特定の遺伝子を指摘することで、夜尿症の具体的な生物学的原因を示すことができました。

Dr. Søren Rittigは次のように述べています。「私たちが発見した遺伝子と遺伝的変異を使用してさらに研究することで、夜尿症の小児を早期に発見し、どの小児が薬物治療の恩恵を受けられるかを判定するとともに、それら小児の症状を緩和するための治療法をあつらえるのに役立つと考えます。」

夜尿症について

夜尿症(夜間遺尿症)は睡眠中に不随意に尿を排出する症状です7。ほとんどの場合、夜間における尿の過剰産生または膀胱容量の減少が原因となっています4。目覚め不能も原因になります4。夜尿症の原因は心理的なものではないと思われます4。夜尿症は小児に一般的な病状であり、7歳の約5~10%が日常的に発症し、こうした問題は10代や成人になるまで続くことがあります8

世界夜尿症デーについて

世界夜尿症デーは、夜尿症が治療可能であり治療すべき一般的症状であるとの認識を一般公衆と医療専門家の間で高めることを目的に創設されました。

2018年世界夜尿症デーは5月29日に開催され、毎年5月の最終火曜日に開催されます。夜尿症を患う小児の診断と治療でさらなることを成し得るとの認識の下、「今こそ行動を」をスローガンにしています。

詳細情報についてはwww.worldbedwettingday.comをご覧ください。

世界夜尿症デー運営委員会について

世界夜尿症デー運営委員会にはこのイニシアチブを支えるために世界中の専門家が参集しており、国際小児禁制学会(ICCS)、欧州小児泌尿器科学会(ESPU)、アジア太平洋小児泌尿器科学会(APAPU)、国際小児腎臓病学会(IPNA)、欧州小児腎臓病学会(ESPN)、イベロアメリカ小児泌尿器科学会(SIUP)、北米の諸小児泌尿器科学会から構成されています。このイニシアチブはフェリング・ファーマシューティカルズの支援を受けています。

References

1 Jarvelin, M. R., Vikevainen-Tervonen, L., Moilanen, I. & Huttunen, N. P. Enuresis in seven-year-old children. Acta paediatrica Scandinavica 77, 148-153 (1988).
2 von Gontard, A., Schaumburg, H., Hollmann, E., Eiberg, H. & Rittig, S. The genetics of enuresis: a review. The Journal of urology 166, 2438-2443 (2001).
3 Iannelli V. Bedwetting. Available at https://www.verywell.com/bedwetting-bedwetting-statistics-2633257. Last accessed January 2017.
4 Vande Walle J et al, Practical consensus guidelines for the management of enuresis. Eur J Pediatr 2012;171:971-98
5 Joinson C et al. A United Kingdom population-based study of intellectual capacities in children with and without soiling, daytime wetting, and bed-wetting Pediatrics. 2007;120(2):e308-16
6 Van Herzeele C, Dhondt K, Roels S P et al. Desmopressin (melt) therapy in children with monosymptomatic nocturnal enuresis and nocturnal polyuria results in improved neuropsychological functioning and sleep. Pediatr Nephrol. 2016; DOI 10.1007/s00467-016-23351-3
7 Austin P et al. The Standardization of Terminology of Lower Urinary Tract Function in Children and Adolescents: Update Report from the Standardization Committee of the International Children’s Continence Society, The Journal of Urology. 2014;191:1863-1865
8 Nevéus T. Nocturnal enuresis—theoretic background and practical guidelines. Pediatr Nephrol. 2011; 26:1207–1214

businesswire.comのソースバージョン:https://www.businesswire.com/news/home/20180528005006/en/

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Contacts

Burson-Marsteller, on behalf of World Bedwetting Day Steering Committee
Jack Dixey, +44 (0)207 300 6221
Jack.Dixey@bm.com

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