医療・医薬情報インデックスサイト

医療・医薬情報のインデックスサイト

2019年4月23日 (火)
 RSS

仏ビルジュイフ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- WINコンソーシアム**が初めて率先した研究であるWINTHER試験の結果が本日、ネイチャー・メディシン*誌に掲載されました。 「ゲノムおよびトランスクリプトームのプロファイリングががん精密医療を拡充:WINTHER試験」(Genomic and transcriptomic profiling expands precision cancer medicine: the WINTHER trial) と題する本試験では、RNAプロファイリングとDNA検査の併用が、腫瘍変異の標準的なDNAプロファイリングのみと比較して、進行がん患者の個別化治療へのマッチング数を増加させることが示されています。


WINTHER試験***(NCT01856296)は、バルデブロン腫瘍学研究所(VHIO、スペイン)、Chaim Sheba医療センター(イスラエル)(Raanan Berger)、ギュスタフ・ルーシーがん研究所(フランス)(Jean-Charles Soria)、レオンベラールセンター(フランス)(Pierre Saintigny)、マギル大学シーガルがんセンター(カナダ)(Wilson H. Miller)、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(米国)(Jordi RodonおよびApostolia-Maria Tsimberidou)、カリフォルニア大学サンディエゴ校ムーアがんセンター(米国)(ラゼル・クルツロック)の研究者らが主導し、標準治療を受けた後に進行した固形腫瘍の患者へのがん精密医療の拡大を目指しました。

WINTHER試験は臨床において初めて、正常組織と比較しての腫瘍でのRNA発現の増加に基づき、がん精密治療を多数の患者に合せて個別化すべく、トランスクリプトミクス(RNA発現検査)を適用しました。

WINTHER試験には303人の患者が組み入れられました。そのうち最終的に107人が、5カ国のがん専門家から成る委員会の勧告に従って治療を受けました。それらの患者は前治療歴が多く、4分の1は過去に5種類以上の治療を受けていました。治療を受けた患者107人中、69人がDNA突然変異プロファイリングに基づく治療を、38人がRNAプロファイリングに基づく治療を受けました。全体としてWINTHER試験は、進行がん患者の35%に対する個別化治療のマッチングに成功しました。

WINコンソーシアム会長でASCO最高医学責任者(CMO)のリチャード・L・シルスキーは、次のように述べています。「WINTHERで採用された戦略は、精密医療のその他多くの研究よりも、高い割合の患者の治療につながりました。これまでに実施された研究は、DNAプロファイリングのみを基に、5%~25%の患者に対する治療薬候補の発見に寄与しています。私たちの研究結果は、がん精密医療が真に約束するものの実現に向けて、重要な前進となります。」

本試験では、患者はまずがんのドライバー遺伝子における標的化可能な変異につき評価を受けました。DNA変異に基づいて治療薬へのマッチングが行われなかった患者は、WINコンソーシアムが開発し特許を持つアルゴリズムを使用し、患者の腫瘍組織と正常組織との間の遺伝子発現の違いに応じた治療を受けました。RNA発現は患者間で、また種々の正常な組織型の間で大きなばらつきがあるため、正常組織との比較は不可欠であることが証明されました。WINTHERの研究者らは、RNA発現が患者に対する個別化治療の選択肢拡大に利用可能で、正常組織の生検は安全で患者に受け入れられることを示しました。

各自のDNA変異に最適に適合させた治療か、RNAガイド療法の推奨アルゴリズムによる治療を受けた患者の方が、高い奏功率を示しました。パフォーマンスステータスが良好でマッチングの程度が高い患者の平均全生存期間は25.8カ月で、他の患者の4.5カ月と比較して有意に長くなっていました。また前治療の回数とは無関係に、マッチングの程度と無増悪生存期間との相関関係が見られました。WINTHER試験の共同リーダーでUCSDムーアがんセンターがん個別化医療センター長のラゼル・クルツロックは、次のように述べています。「重要な点として、私たちの研究結果が示すのは、各自の腫瘍の分子プロファイルへより密接にマッチングさせた治療薬またはレジメンによる治療を受けた患者の方が、良い成績を示すということです。」

WINコンソーシアム副会長、VHIO所長、ESMO会長を務めるJosep Taberneroは、次のように結論付けています。「精密療法の決定において、RNA評価はDNAプロファイリングに対する重要な補助手段となります。WINTHERは、がん個別化医療の新たな時代を告げるものです。」

* https://doi.org/10.1038/s41591-019-0424-4

** WINについて:WINコンソーシアムはフランスのパリを拠点とする非営利組織です。当組織は、4大陸のがん治療関係者が参加する世界的なネットワークとして、がん患者の生存率を改善する最先端の概念と臨床試験の開発に当たっています。WINのメンバーには28組織の傑出したがんセンターに加え、8組織の大手製薬/技術企業、がん個別化医療の関係者を代表する患者支援団体があります。www.winconsortium.org

*** WINTHERは欧州連合第7次研究開発フレームワーク(FP7/2007-2013、助成契約306125号)、ARCがん研究財団(フランス)、ファイザー・オンコロジー、リリー・フランス、ノバルティス・ファーマシューティカルズ・コーポレーションから資金提供を受けています。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


Contacts

Vladimir Lazar
vladimir.lazar@winconsortium.org
33661091522

配信元のページを読む…

※ (C) Business Wire, Inc.
※ 掲載情報は掲載時点での内容になります。内容についてはリンク先の情報が優先します。

関連キーワード (クリックするとキーワードを含む記事の一覧を表示します)