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2019年11月8日 (金)
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進行中のCD19 CAR-NK第1/2a相試験は、2021年にピボタル試験への患者組み入れを予定



− 外来患者への投与が承認された初のCAR細胞療法薬となる可能性

ヒューストン & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- テキサス大学MDアンダーソンがんセンターと武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(以下、武田薬品)は本日、B細胞性悪性腫瘍やその他のがんの治療に向け、IL-15分泌を促進するとともにキメラ抗原受容体を発現した臍帯血由来ナチュラルキラー(CAR NK)細胞療法薬の開発について、独占的ライセンス契約および共同研究契約の締結を発表しました。

本契約に基づき、武田薬品はMDアンダーソンのCAR NKプラットフォームへのアクセス権と、CD19を標的とするCAR NK細胞療法薬、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR NK細胞療法薬を含め、最大4件のプログラムにつき開発および商業化に対する独占的権利を得ます。また武田薬品とMDアンダーソンは、これらのCAR NKプログラムの開発をさらに進めるための共同研究も実施します。

MDアンダーソンの幹細胞移植・細胞療法担当教授であるケイティ・レズヴァニ教授(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「当研究所のビジョンは、外来診療で既製品を使用して即投与可能なIL-15増強型CAR NKを開発することで、既存の治療法に改善を加え、より多くの患者が最小限の毒性で有効・迅速な治療を受けられるようにすることです。血液がんに関する専門性を持ち、次世代細胞療法の開発に傾倒している武田薬品は、治療を必要としている患者のためのCAR NK細胞療法の前進を手助けしてくれる理想的な協業相手です。」

外来診療で既製品CARを即提供するための新規手法

MDアンダーソンの同種他家CAR NKプラットフォームは、臍帯血からNK細胞を分離し、特定のがん標的に対するCARが発現するように改変します。CAR NK細胞は遺伝子を組み込むレトロウイルスベクターを使用して改変し、特定の腫瘍に対する攻撃力を増強します。CD19 CARは、B細胞性悪性腫瘍に対する細胞の特異性を高め、免疫サイトカインIL-15は体内でのCAR NK細胞の増殖と生存を促進します。

患者自身の遺伝子改変T細胞を使用するために数週間の製造プロセスを必要とする現行のCAR T細胞療法と異なり、CAR NK細胞は血縁関係のないドナーを使用して製造し、既製品として使用できるよう保管することを意図しており、より迅速な治療薬の提供を実現します。

CD19 CAR NK細胞療法薬は、外来診療で投与可能になると見込まれています。再発性/難治性B細胞性悪性腫瘍患者を対象として進行中の第1/2a相臨床試験において、CD19 CAR NK細胞療法は既存のCAR-T療法薬で観察される重篤なサイトカイン放出症候群(CRS)や神経毒性を伴うことがありませんでした。

MDアンダーソンのCAR NKプラットフォームの開発は、レズヴァニ博士が主導しており、さらに養子細胞療法プラットフォーム慢性リンパ球性白血病ムーンショットB細胞リンパ腫用ムーンショットの各プログラムに支えられています。これらはいずれも、科学上の発見を臨床的に意義のある成果に速やかにつなげて患者の命を救う協業活動である当研究所のムーンショット・プログラム(Moon Shots Program®)の一環です。

武田薬品:複数の次世代CARプラットフォームの開発を加速

武田薬品の研究開発担当プレジデントであるアンディ・プランプ(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「アンダーソンのCAR NKプラットフォームは、がんを治療できる細胞療法の可能性を示すものであり、当社がオンコロジー領域でCD19 CAR NKを当社主力の細胞治療薬候補に定めているのはこのためです。私たちは機敏に、そして目的をもって研究を進める必要があるため、2021年にCD19 CAR NKのピボタル試験を開始する予定です。」

武田薬品とその提携先は、CAR NK細胞療法に加え、ガンマデルタのCAR T人工多能性幹細胞由来のCAR T固形腫瘍を標的とするCAR Tその他の次世代手法を含め、第1世代CAR T細胞療法について、安全性、有効性、利用可能性を高めるための多くのアプローチを追究しています。武田薬品は、2020会計年度末までに、オンコロジー領域の5種類の細胞療法薬を臨床段階へと前進させる計画です1。これらのプラットフォームは、細胞療法の開発で経験する製造上の多くの課題を克服するため、パートナーとの提携により、またバイオエンジニアリング、CMC(化学・製造・品質管理)、臨床能力、橋渡し研究能力を一括して提供する武田薬品のトランスレーショナル細胞療法エンジンの専門能力を適用して開発が進められています。

武田薬品は、本契約に基づくCAR NK製品の開発・製造・商業化に責任を負います。MDアンダーソンは、前払い金を受け取るとともに、開発および商業化のそれぞれの目標に対するマイルストーン支払いと、これらCAR NK製品のいずれについても売上高に応じた段階的ロイヤルティーを受領する権利を得ます。

MDアンダーソンと武田薬品は、合同研究委員会の監督の下で追加的な標的およびCAR NKプラットフォームに関する研究を継続します。MDアンダーソンは本研究に関し、当組織の利益相反管理・監視計画を実行します。

MDアンダーソンについて

ヒューストンに所在するテキサス大学MDアンダーソンがんセンターは、がん患者のケア、研究、教育、予防に傾注するがんセンターとして世界で最も尊敬されている施設の1つです。当センターの唯一の使命は、世界中の患者とその家族のために、がんを根絶することです。MDアンダーソンは、米国国立がん研究所(NCI)が指定したわずか50施設の総合がんセンターの1つです。またUSニューズ&ワールド・レポート誌の「全米優良病院」調査ではがんケアにつき第1位にランクされています。同調査が始まった1990年以来、がんケアで全米トップ2病院の1つにランクされ、直近18年間で15回は第1位にランクされています。MDアンダーソンは、米国国立衛生研究所のNCIから、がんセンター支援のための助成金を受け取っています(P30 CA016672)。

武田薬品工業株式会社について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

将来に関する見通し情報

本プレスリリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念または見解が含まれています。本プレスリリースは特に、売上高、営業利益、調整後EBITDA、税引き前利益、武田薬品の所有者に帰属する純利益、基本的1株当たり利益、償却・減損およびその他の収入・支出、実質的な売上収益、実質的なコア・アーニングス、実質的なコアEPS、純負債の見通しに関する記述を含め、武田薬品の財務/営業成績と関連した見通しや経営陣による予測を含みます。 将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想されるanticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語、それらと同様の内容、それらの否定形を含む単語や用語を含む場合が多いですが、それに限られるものではございません。この書類における将来見通し情報はいずれも、現時点で当社が利用できる情報を踏まえた上での当社の現在の前提及び考えに基づくものです。かかる将来見通し情報は、当社または当社の役員による、将来の業績に関する保証を表するものではなく、既知及び未知のリスクと不確実性その他の要素を伴います。リスクと不確実性には、日本と米国を含む世界の一般的な経済条件を含む当社の事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規、製品開発計画の成功または失敗、規制当局による判断とその時期、為替レートの変動、市場で販売された製品または製品候補の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)が含まれますが、これらに限られません。これらにより、当社の実際の業績、経営結果、財務内容は、将来見通し情報において、明示または暗示された将来の業績、経営結果、財務内容とは、大きく異なる可能性があります。当社の業績、経営結果または財務状況に影響を与え得る事項の詳細に関しては、武田薬品が米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる有価証券届出書の”第3項重要事項 - D.リスクファクター”をご参照ください(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能)。武田薬品およびその経営陣はいずれも、これら将来見通し情報において示された予想が結果的に正しいということを何ら保証するものではなく、実際の業績、経営結果、財務内容は予想と大きく異なることがあり得ます。本プレスリリースの受領者は、将来見通し情報に過度に依存するべきではありません。武田薬品は、本プレスリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想または見積もりではありません。


1 武田薬品の2020会計年度は2020年4月1日に開始し2021年3月31日に終了します。

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+1 (713) 792-9518
cboldt@mdanderson.org

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Media in Japan
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+81 (0) 3-3278-2095
kazumi.kobayashi@takeda.com

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+1 (617) 374-7726
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