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2020年3月13日 (金)
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東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎 功典)は、議決権行使助言会社であるインスティテューショナル・シェアホルダー・サービス(ISS社)およびグラスルイス(GL社)が、2020年3月27日に開催される当社の定時株主総会に関し、取締役の選任をはじめとする全議案についてレポートを発表したことに対し、以下の見解を示します。 


当社は、ISS社並びにGL社のレポートで、当社が推薦している取締役が、取締役会にもたらす追加的な能力や高い独立性を備えているという点を評価していただいたことに感謝します。また、当社が株主価値の最大化に向け、取締役会構成を改善し、ガバナンスを強化していく取り組みや、事業戦略およびパフォーマンスを継続的に監督していくというコミットメントについて、両社ともに評価していただいたことについても感謝します。

さらに、Independent Franchise Partners(FP)が提案している、当社中核事業の売却によって得た資金による追加的な自己株式の取得に対し、当社が反対していることについて、両社ともに同意いただいたことに感謝します。当社は、株主提案による大規模な自己株式の取得は、短期的な手段であり、本質的な企業価値創造につながらないと考えます。KV2027 (長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」)においては、グローバルにおける酒類市場の構造的な課題や、健康志向の高まりといった社会的動向に対応し、今まで磨いてきたキリングループの資産である発酵・バイオ技術を駆使し、「ヘルスサイエンス領域」に取り組みます。この取り組みは、当社の強みである発酵・バイオ技術と、「食領域」と「医領域」において強い事業基盤を持つキリングループだからこそ実現できるものです。

さらに、GL社が、当社の提案した取締役報酬が適切であると認めていただいたことを心強く思っています。指名・報酬諮問委員会は報酬制度の継続的な見直しの必要性を認め、外部報酬コンサルタントの支援を受けて業界のベストプラクティスを徹底的に追求し、業績連動比率の高い制度となっています。

しかしながら、以下の点については、ISS社、GL社と見解が分かれましたので、改めて当社の考え方を説明します。

ISS社の推奨に対する当社の見解

<第2号議案 取締役選任の件(会社提案)に対する当社見解>

当社はISS社が三好氏に反対する理由として誤った判断をしていると考えています。ISS社は、三好氏が人事・総務を担当していることから、株主提案者から提起された問題に影響がないため、反対推奨したとしています。

三好氏は、当社入社以来、人事・労務、経営企画に携わる等、豊富な業務経験と人事、労務およびマーケティングに関する深い知見を有しています。取締役就任後は、人事戦略、従業員との関係の強化策および当社のマーケティング、ブランド戦略について多くの提言をしてきました。

また、三好氏は、コーポレートガバナンスの強化をはじめ、当社の構造改革、経営改革に多大な貢献をしました。三好氏は指名・報酬諮問委員会の委員でもあります。

当社の中長期の価値創造および共有価値の創造(CSV: Creating Shared Value)を実現するために、当社の最も重要な財産である人材戦略を統括する三好氏は、取締役会に欠かせないと考えています。

ISS社も、株主提案の候補者1名に賛成するための反対であると言及しており、これは消極的な理由であるとの理解です。当社としても、引き続き三好氏が当社の企業価値向上にとって必要不可欠な存在であることには変わりはないと考えています。

<第4号議案 取締役等に対する業績連動報酬制度の改定に伴う報酬等の額及び内容改定の件(会社提案)に対する当社見解>

ISS社は、会社提案の第4号議案(信託型株式報酬制度の導入と株式報酬枠6億円の設定)に反対し、株主提案の第7号議案(譲渡制限付株式報酬制度の株式報酬枠12億円への増額)に賛成推奨しています。

その理由として、株式報酬の割合を増やすことにより、株主の利益と業務執行取締役の利益を一致させることができるとしていますが、当社が第4号議案で新たに導入する信託型株式報酬制度は、業績連動の指標として、これまでのROICと平準化EPSに加え、新たに持続的成長に対する取締役のコミットを促しかつ評価するために非財務指標を取り入れるなど、株主の利益との一致を考慮し、提案させていただくものです。信託型株式報酬制度に変更することにより、それまでの譲渡制限付株式と比べて、取締役会決議の手間が大幅に軽減されるため、より経営監督業務に集中できるものと考えています。

また、この新たな報酬制度は、報酬額の水準も含め、専門家のアドバイスを受け、適切な比較企業の報酬水準を参考とするなど、指名・報酬諮問委員会で検討を重ねたものです。一方、取締役の株式報酬枠の拡大を求める株主提案は、その仕組みの詳細が不明瞭です。 

従って、現時点においては、会社提案の方が十分な検証が加えられており、最適な報酬体系であると考えています。なお、指名・報酬諮問委員会や取締役会で絶えずモニタリングし、議論しながら、改善すべき点あれば、状況に応じて変更していく所存です。

GL社の推奨に対する当社見解

<第2号議案 取締役選任の件(会社提案)に対する当社見解>

GL 社は会社提案の第2号議案において、社外取締役候補である柳 弘之 氏、塩野 紀子 氏の2 名に反対することを推奨しています。

柳 弘之氏について

GL社は、議決権行使助言ガイドラインにおける「上場企業で業務の執行にたずさわる者が、3社以上の上場会社にて取締役または監査役を兼務する場合」に抵触するとして、反対を推奨しています。その根拠としては、「取締役と監査役は、株主への責務を果たすに当たって、十分な時間を要すると考える。過剰な役員兼任数を持つ役員は、会社の非常時があった場合、重大なリスクをもたらす可能性がある。近年の取締役または監査役の責務は重くなる一方であり、多数の企業での兼務は難しい状況であると考える。特に、業務執行にたずさわる者は、役員としての職務遂行能力を十分に発揮できる時間に制限が生じる恐れがあると考える。」と記されています。一方で、「ただし、兼務状況を査定する際、当該取締役または監査役の出席率、企業における役職、選任理由などを考慮したうえで、最終的な判断をする。」とも記載されています。

柳氏においては、2019年3月に当社社外取締役に就任後、昨年度に実施された取締役会への出席率は100%(12回中12回)であり、社外取締役としての職務遂行能力を十分に発揮できる時間の確保ができているものと判断しています。

以上のことから、当社としましては、柳氏の兼任社数に問題はなく、当社の社外取締役としての十分な資質に加え、職務遂行能力を十分に発揮し、当社の経営・監督にコミットしていただいていると考えているため、GL社の反対推奨は不適切であると考えます。

塩野 紀子氏について

GL社は、現在当社のストラテジック・アドバイザーを務めていること等の理由により反対推奨しています。

当該役職は、同氏が社外取締役を務めていた日本綜合飲料統括会社の再編に伴い、当社において社外取締役に準ずる地位として就任したものであり、独立性には全く影響を及ぼさないものと判断しています。加えて、GL社の指摘する、「キリンのKV2027の策定に関して、ストラテジック・アドバイザーとして関与した」との指摘は事実誤認であり、独立的な立場として、潜在的なコンフリクトが発生することはないと判断しています。

また、塩野氏は、医薬品メーカー、エスエス製薬株式会社の元代表取締役社長であり、現在は医療機器メーカーであるワイデックス株式会社の代表取締役社長として、ヘルスサイエンスと医薬品に関する貴重な知見を有しています。 

なお、GL社は、レポートの中で、社外取締役7名を含む12名の取締役を提案する当社の会社提案について、社外取締役7名が全員独立性を有しており、社外取締役が過半数を占める取締役会構成は日本企業では珍しい、と評価しています。このことからも、塩野氏が独立性のある社外取締役であることは明らかであり、さらに、塩野氏のヘルスサイエンスや医薬品に関する知見・経験が、当社の企業価値向上に資するものと判断しています。

株主の皆さまには、上記の点をご理解いただき、十分にご検討の上、議決権を行使いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

以 上

ISS社及びGL社は、会社提案のいくつかの論点に反対していますが、両社のレポートは、取締役会の独立性、ガバナンス、報酬、株主提案、会社の業績について、株主の皆様が株主総会に際して投票する前に検討すべき重要な点を指摘していますので、以下に引用します 。

独立性

“At the forthcoming annual general meeting of shareholders, the Company has nominated twelve directors to the board, including seven outside directors, all of whom we consider to be truly independent. We commend the Company for proposing to have majority of its board to be comprised of truly independent directors, a practice which is rare in Japan.” (Glass Lewis)
(参考訳)「次回の年次株主総会において、キリンホールディングスは取締役会に7名の社外取締役を含む12名の取締役を指名しました。これらの7名、全員真に独立していると考えられます。キリンホールディングスが取締役会の過半数を真に独立した取締役で構成する提案をしていることを称賛します。これは日本の慣行としては珍しいことです。 」(GL社)

“As classified by ISS, independence (excluding statutory auditors) increases from 33 percent to 50 percent. As a reference, Asahi has nine board members, including three independents, according to ISS. The proposed Kirin board would include two women and two foreigners, vs. none a year ago.” (ISS)
(参考訳)「ISS社による分類によると、独立性(監査役を除く)は33パーセントから50パーセントに向上しています。参考として、ISS社によると、アサヒ社には3人の社外取締役を含む9人の取締役がいます。提案されたキリンホールディングスの取締役会には、従来ゼロであった2人の女性と2人の外国人が含まれます。」 (ISS社)

ガバナンス

“We note that the Company released its convocation notice on February 25, more than four weeks prior to the shareholder meeting. We commend the Company for disclosing this important information pertaining to the annual meeting in advance.” (Glass Lewis)
(参考訳)「キリンホールディングスは、株主総会の4週間以上前の2月25日に招集通知を発表しました。同社が、年次総会に関連するこの重要な情報を事前に開示したことを称賛します。」 (GL社)

“Though under Japanese law, companies are only required to disclose attendance records of external board members, the Company has voluntarily released attendance records for all directors, including inside directors, for board meetings held during the last fiscal year. We commend the Company for such practices and encourage it to continue to improve director attendance disclosure.” (Glass Lewis)
(参考訳)「日本の法律では、企業は社外取締役の出席記録のみを開示することが義務付けられていますが、キリンホールディングスは、社内取締役を含むすべての取締役について、前会計年度に開催された取締役会の出席記録を自主的に公開しています。当社はそのような慣行を称賛し、取締役の出席の開示を改善し続けることを奨励します。」(GL社)

報酬

“We believe that the Company's existing compensation scheme is appropriate.” (Glass Lewis)
(参考訳)「キリンホールディングスの既存の報酬制度は適切だと考えています。」(GL社)

“We believe that the Company should retain the flexibility to create compensation packages for its directors and auditors that are in line with their peers and commensurate with their services.” (Glass Lewis)
(参考訳)「キリンホールディングスは、同業他社同様、役務に見合った取締役および監査人向けの報酬制度を設計する柔軟性を保持し続けるべきだと考えています。」(GL社)

自己株式の取得についての提案

“We believe the resolution (surrounding IFP's alternative share buyback proposal) introduces a number of significant issues.” (Glass Lewis)
(参考訳)「(IFPが代替提案とする自己株式の取得提案に関連する)決議案は多くの重要な問題を惹起すると考えています。」(GL社)

“We consider the implications of IFP's buyback resolution are problematically ambiguous, and the resolution is, at best, an inefficient mechanism for purposes of expressing more granular concern with KV2027.” (Glass Lewis)
(参考訳)「IFPの買戻し決議の結果は問題をはらむ曖昧なものであり、この決議はKV2027に関するより詳細な懸念を提起するには非効率的な方法だと考えています。」(GL社)

“It seems premature to support the shareholder buyback proposal based on selling the stakes in Kyowa Kirin and FANCL at this time.” (ISS)
(参考訳)「現時点で、協和キリン社とファンケル社の株式の売却による自社株買い提案を支援することは時期尚早かと思われます。」(ISS社)

キリンホールディングスの業績と株主総利回り

“In particular we acknowledge Kirin did indeed outperform its domestic and international rivals from the time of Mr. Isozaki's appointment through the last trading date prior to emergence of IFP.” (Glass Lewis)
(参考訳)「特に、キリンホールディングスは、(株主総利回りにおいて、)磯崎氏の任命時からIFPとの関係が始まる前日まで、国内および海外の同業他社を上回ったと認識しています。」(GL社)

“Kirin should be credited for a successful turnaround and return to profitability.” (ISS)
(参考訳)「キリンホールディングスは、再生と収益力の回復に成果があったと評価されるべきです。(ISS社)


Contacts

(本件お問い合わせ先) 
キリンホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
兵頭俊昭
TEL 03-6837-7028

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