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2020年10月13日 (火)
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ARO-AATは、AATDと関連した肝疾患の根本原因を治療するように設計されたファーストインクラスの治療薬候補


アローヘッドは3億ドルの前払い金と、最大7億4000万ドルの潜在的な開発/規制関連/商業化マイルストーン払いを含め、最大10億4000万ドルを受領する権利を取得

治験薬のARO-AATを武田薬品とアローヘッドが利益を50:50で折半する形で米国にて共同開発・商業化に当たる

武田薬品は米国以外でARO-AATを商業化する独占的権利を取得

アローヘッドは10月8日本日の東部時間午前8時30分に電話会議を開催

大阪 & 米カリフォルニア州パサデナ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)とアローヘッド・ファーマシューティカルズ(NASDAQ: ARWR)は本日、α-1アンチトリプシン関連肝疾患(AATLD)を治療するための第2相試験の開発段階にあるRNA干渉(RNAi)治療薬候補ARO-AATについて、開発のための協業・ライセンス契約を発表しました。ARO-AATはファーストインクラスの治療薬候補で、AATLDの進行を引き起こす変異型α-1アンチトリプシン蛋白の産生を低減するように設計されています。

契約の条件に従い、武田薬品とアローヘッドはARO-AATの共同開発に当たり、本薬が承認された場合、両社は利益を50:50で折半する形で米国にて共同販売を行います。米国以外の地域では、武田薬品が世界的な販売戦略を主導してARO-AATの商業化に関する独占的権利を取得し、アローヘッドは売上高に対する20~25%の段階的なロイヤルティーを受領する権利を得ます。アローヘッドは3億ドルの前払い金を受領し、開発・規制関連・販売に伴うマイルストーン払いとして最大7億4000万ドルを受け取る権利を得ます。取引の完了は、米国の1976年ハート・スコット・ロディノ(HSR)反トラスト強化法を含む独占禁止法の審査が完了することを条件としています。

武田薬品Gastroenterology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるAsit Parikh(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「AAT関連肝疾患は、承認薬が存在しない重篤疾患です。RNAiを基盤とする作用機序を持つARO-AATは、AATLDの根本的な原因を治療することで、患者が肝移植や関連する併発疾患を回避する上で役立つ可能性があります。アローヘッドと協業し、拡充を続ける当社の消化器分野ポートフォリオの一環として、α-1疾患コミュニティーのために末期肝疾患を対象とする素晴らしい資産を前進させることは、当社にとって大きな喜びです。」

アローヘッドの社長兼最高経営責任者(CEO)であるChristopher Anzalone博士は、次のように述べています。「武田薬品は、希少疾患および消化器系疾患の各領域における国際的なプレゼンスおよび支払者・規制当局との経験に加え、α-1疾患コミュニティーに長く貢献してきた実績があるため、ARO-AATをめぐる提携の理想的な提携先となります。同社は患者さんや医学界と協働し、α-1肝疾患の患者さんの深刻な未充足ニーズに対応する上で有利な立場にあります。また本契約は、提携先を厳選して当社のTargeted RNAi Molecule (TRiMTM、標的化RNAi分子)プラットフォームと、多様な組織タイプを標的とするRNAi治療薬の拡充中のパイプラインへの投資を継続すると同時に、当社の販売組織を代謝性心血管疾患と肺疾患の2つの主要な領域における商機に傾注させるという戦略を支えるものです。」

α-1アンチトリプシン関連肝疾患について

α-1アンチトリプシン欠乏症(AATD)は希少な遺伝子性疾患で、小児患者と成人患者では肝疾患、成人患者では肺疾患を伴います。AATDの有病率は、米国では3000~5000人に1人、欧州では2500人に1人と推定されています。αアンチトリプシン(AAT)は主として肝細胞で合成、分泌されるタンパク質です。AATの機能は、正常な結合組織を分解する酵素の阻害です。本疾患で最も多く見られるZ型遺伝子変異では、1つのアミノ酸が置換され、その結果としてタンパク質が正しく折りたたまれません。この変異タンパク質は十分に分泌されず、肝細胞内の小球に蓄積されます。その結果として肝細胞が損傷を受け続け、線維化や肝硬変が引き起こされ、肝細胞がんのリスクが高まります。

ホモ接合型のPiZZ遺伝子型を持つ患者の場合、機能性AATの深刻な不足が肺疾患や肝疾患をもたらします。肺疾患は多くの場合、AAT強化療法により治療します。ただしAAT強化療法は肝疾患に対しては効果がなく、肝疾患の症状に特効がある治療法は存在しません。現在、利用可能な唯一の治療法は肝移植ですが、合併症発現率や死亡率が高く、大きな未充足ニーズが存在します。

ARO-AATについて

ARO-AATは、AATD患者における進行性肝疾患の原因である変異型α-1アンチトリプシン(Z-AAT)タンパク質の肝臓での産生を抑制するように設計されています。炎症性のZ-AATタンパク質の産生を低下させることで、肝疾患の進行を阻止し、肝臓を再生・修復できる可能性があると期待されています。

消化器系疾患領域に対する武田薬品の取り組み

消化器系疾患と肝疾患は、生活に混乱をもたらすのみならず、患者の生活の質に影響を与え得る疾患であると当社は考えています1,2。有効な治療選択肢に対する根本的なニーズの域を超え、患者の生活改善は患者のニーズに対する認識にも左右されると当社は理解しています。武田薬品は消化器系疾患領域における30年近い経験を有し、炎症性腸疾患(IBD)、胃酸関連疾患、短腸症候群(SBS)、消化管運動障害に対する治療薬により、消化器系疾患患者のニーズへの対応で大きく前進しています。当社はセリアック病、好酸球性食道炎、α-1アンチトリプシン関連肝疾患、クローン病、急性膵炎などの患者のために、未充足ニーズのある新領域におけるギャップを埋めるべく大きく前進しています。当社は研究者、患者グループなどと共に、消化器系疾患領域の科学研究と臨床医学を進歩させるために努力しています。

アローヘッドの電話会議およびウェブキャストに関する情報

投資家の皆さまは、当社ウェブサイト(http://ir.arrowheadpharma.com/events.cfm)から音声ライブウェブキャストにアクセスいただけます。電話会議への参加を希望されるアナリストの方々は、855-215-6159または315-625-6887までお電話いただき、カンファレンスID(1790033)を入力してください。

ウェブキャストの再生は、会議終了後約2時間で視聴可能となり、90日間にわたり保存されます。音声再生も会議終了後約2時間で聴取可能となり、3日間にわたり聴取いただけます。音声再生を聴取するには、855-859-2056または404-537-3406までお電話いただき、カンファレンスID(1790033)を入力してください。

武田薬品工業株式会社について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。

詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

留意事項

本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本資料(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国1933年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

武田薬品の将来に関する見通し情報

本プレスリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「保証する(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想されるanticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語、同様の表現、それらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。かかる将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する仮定に基づいており、これらの要因は実際の結果が将来見通し情報で明示ないし暗示された内容と著しく異なる場合の原因になり得るものです。これらの要因には、日本と米国の一般的な経済条件を含む当社の世界的な事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功または失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び通貨為替レートの変動、市場で販売された製品または製品の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等、新型コロナウイルスの世界的流行病のような健康危機が武田薬品ならびにその顧客およびサプライヤー(武田薬品が営業する国々における外国政府を含む)に及ぼす影響や当社事業のその他の面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、武田薬品が米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び他の報告書(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能)で指摘したその他の要因が含まれますが、これらに限られません。武田薬品は、法律ないし証券取引所規則で要求される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果ないし記述は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証、見積もりではありません。

アローヘッド・ファーマシューティカルズについて

アローヘッド・ファーマシューティカルズは、疾患の原因となる遺伝子の働きを止めることで難病を治療する医薬品の開発に当たっています。アローヘッドの治療薬は、RNAケミストリーの広範なポートフォリオと効率的な送達方式を活用して、RNA干渉機構を作動させ、標的遺伝子の迅速で徹底的、永続的なノックダウンを誘発します。RNA干渉(RNAi)は、生体細胞内に存在する機構の一種で、特定遺伝子の発現を阻害することで特定タンパク質の産生に影響を及ぼします。RNAiをベースとするアローヘッドの治療薬は、この生来の遺伝子サイレンシング経路を活用しています。詳細情報については、www.arrowheadpharma.comをご覧いただくか、ツイッター(@ArrowheadPharma)で当社をフォローしてください。当社のEメールリストに登録し、ニュースを直接受け取るにはhttp://ir.arrowheadpharma.com/email-alertsをご覧ください。

米国民事証券訴訟改革法に基づくアローヘッドのセーフハーバー・ステートメント

本ニュースリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法の「セーフハーバー」条項の定義による将来見通しに関する記述を含みます。これらの記述は現時点の当社予測に基づくもので、本リリースの日付時点までのことについてのみ言及するものです。当社の実際の業績は、さまざまな要因や不確定要素により、いずれかの将来見通しに関する記述で記されたものと大幅かつ悪い方向に異なるものとなる場合があり、それらの要因や不確定要素には、当社製品候補の安全性および有効性、当社臨床プログラムにおける薬事承認手続きの遅れの期間とその影響、当社事業に対する当社の資金調達能力、将来のマイルストーン支払いまたはライセンス料を受領できる可能性とその時期、当社の科学研究の今後の成否、医薬品候補を成功裏に開発し商業化する当社能力、臨床試験の開始および完了時期、当社が参加している市場における急速な技術変革、当社知的財産権の執行が含まれます。当社の最新のフォーム10-K年次報告書およびその後のフォーム10-Q四半期報告書では、当社の事業、業績、財務状況に影響を及ぼす可能性がある重要なリスク要因の一部が検討されています。当社は新しい出来事や状況を反映する目的で将来見通しに関する記述を更新ないし修正する義務を負いません。

References:


1 Center for Drug Evaluation and Research (CDER) & the FDA. The Voice of the Patient/Functional Gastrointestinal Disorder; 2016. https://www.fda.gov/media/95140/download (医薬品評価研究センター(CDER)とFDA、2016年「患者の声/機能性胃腸疾患」)

2 Jones R, et al. Management of common gastrointestinal disorders: quality criteria based on patients’ views and practice guidelines. Br J Gen Pract. 2009; 59(563):e199-208.

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。


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