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2021年8月3日 (火)
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‒ Vonafexorは経口薬として初めて、HBeAg陰性CHBウイルス血症患者でpeg-IFNとの併用で投与して16週間後に平均で-1.0 log10のHBsAg低減をもたらす ‒
‒ Vonafexorは安全性と良好な忍容性を示す ‒

仏リヨン--(BUSINESS WIRE)---- (ビジネスワイヤ) -- 革新的な医薬品候補の開発を手掛ける非公開の臨床段階のバイオテクノロジー企業であるエンヨ・ファーマは本日、B型慢性肝炎(CHB)ウイルス血症患者を対象にペグ化インターフェロン(peg-IFN)との併用でVonafexorを検討するEYP001-203試験について、良好な概念実証データを発表しました。Vonafexorは治療16週後に、肝臓におけるウイルス活性の主要なバイオマーカーであるHBsAgを平均で1 log10以上低減させ、主要評価項目を達成しました。2021年7月28日に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者での極めて良好な臨床結果を最近公表しており、CHB患者でのこれらの結果はVonafexorにとって別の明るいニュースとなります。

第2a相EYP001-203試験では、CHBを患った被験者20人を1:1にランダム割り付けし、16週間にわたり1日1回のVonafexor 200 mgを、週1回のpeg-IFN 180 μgの皮下注射との併用で経口投与し、さらに1日1回のエンテカビル0.5 mgを経口で投与する場合としない場合を検討しました。その後24週間にわたり、被験者に1日1回のエンテカビル0.5 mgのみを経口投与して治療を維持しました。

試験結果は、HBeAg陰性(13人)でVonafexorとpeg-IFNの併用療法が有意に奏功した被験者と、HBeAg陽性(7人)で奏功しなかった被験者とに明確に分かれるものでした。CHB患者で確立しているデータでは、本疾患の慢性的な進行の結果、 HBeAg陰性(現時点で80%超)の患者が一層多くなることが確認されています。

HBeAg陰性の被験者(13人)は、平均HBV-DNAのベースライン値が4.6 log10 IU/mLで、平均HBsAgのベースライン値が3.1 log10 IU/mLであったのに対し、HBeAg陽性の被験者(7人)はHBV-DNA値が7.8 log10 IU/mL、HBsAg値が4.2 log10 IU/mLでした。

HBeAg陰性の被験者の場合、Vonafexor/peg-IFNの2剤レジメンによる16週間の治療後、HBsAgはベースラインとの比較で-1 log10 IU/mLの低減を示したのに対し、Vonafexor/peg-IFN/エンテカビルの3剤レジメンによる治療後の低減はベースラインとの比較で-0.6 log10 IU/mLのみでした。13人中3人の被験者が、2剤レジメンまたは3剤レジメンによる16週間の治療後に-1 log10 IU/mLを超えるHBsAgの低減を示し、13人中2人の被験者が100 IU/mL未満のHBsAg値を達成しました。

20週目(Vonafexor/peg-IFNによる治療中止後1カ月)の時点で、12人中5人の被験者が-1 log10 IU/mLを上回るHBsAgの低減を示し、これら患者は全員が100 IU/mL未満のHBsAg値を達成していました。

またHBV-DNAにより判定したウイルス血症はHBeAg陰性の被験者で速やかに低減し、2剤レジメンおよび3剤レジメンのいずれでも定量下限(LLOQは20 IU/mL)に近いかそれを下回る値を達成しました。

Vonafexorは安全性と良好な忍容性を示しました。Vonafexor/peg-IFNによる2剤併用レジメンを受けた患者10人中4人で、Vonafexor/peg-IFN/エンテカビルによる3剤併用レジメンを受けた患者10人中8人で、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値の相当な上昇がHBV-DNAおよびHBsAgの低減に付随して観察されましたが、これらは他のいずれの肝機能バイオマーカーの上昇も伴っていませんでした。軽度の一時的なグレード1の限局した掻痒が一部の被験者で観察されましたが、投与中止または試験中止をもたらすものではありませんでした。

エンヨの最高医学責任者(CMO)であるピエトロ・スカルファロ(MD)は、次のように説明しています。「未治療のHBeAg陰性ウイルス血症患者で、免疫調節作用を持つインターフェロンと併用したVonafexorで素晴らしい結果が得られ、当社は大変うれしく思います。これらの結果は、2つの理由で非常に励みになるものです。第一に、HBsAgで見られた低減は平均で-1 log10に達し、この値はインターフェロン単独で従来報告されてきた値より2~3倍大きかったこと、これが特に治療開始時に血漿中のHBsAg値の範囲が340~7050 IU/mLと顕著に高く、従って治療困難な患者集団である被験者においてそうであったことです。第二の理由は、被験者全員が、peg-IFNもしくはヌクレオチド/ヌクレオシドまたはその両方による通常の単独療法レジメンで必要とされる期間の半分未満で完全なウイルス抑制を達成したことです。」

本試験の治験責任医師で台湾の長庚紀念醫院肝臓科長のChao-Wei Hsu教授(MD)は、次のように述べています。「HBeAg陰性CHBの被験者で、Vonafexorとpeg-IFNの併用療法は、迅速・早期にHBV-DNAの大幅な低減を誘導し、わずか数週間で被験者12人全員のHBV抑制につなげ、被験者の100%が16週目から20週目までの間にLLOQを下回るHBV-DNA値を達成しました。また16週目に見られた-1.0 log10というHBsAg低減は、治療期間の延長によって機能的治癒率を改善できる可能性について、Vonafexorのさらなる評価の実施を支持するものです。」

これらの結果は一部が既に最近のEASL大会で発表されていますが、本試験のより詳細な結果は今秋の科学大会での発表向けに提出します。

本日報告した2件目の第2a相試験(EYP001-201)では、毎日のヌクレオチド/ヌクレオシド慢性投与を既に受け、ウイルスが抑制されているCHB患者26人を、 2:1の比率で1日1回のVonafexor 200 mgまたはプラセボにランダム割り付けし、16週間にわたり経口投与を行いました。被験者はその後、さらに24週間にわたり、1日1回のエンテカビル0.5 mgの経口投与により治療を維持しました。

本試験に対し医薬品安全性評価委員会(DSMC)が最近実施した中間解析では、Vonafexorは忍容性が良好で安全(ALT/AST値上昇は観察されず)であるが、これらのウイルス抑制CHB患者でVonafexorとエンテカビルの併用に明らかな有効性の利点は見られなかったと結論付けられています。従って、本試験で被験者の追加的な募集は行っていません。これらのデータは、エンテカビルを含む3剤レジメンが、エンテカビルを含まない2剤療法より一見して有効性が低いことを示したEYP001-203試験と何らかの一致点があります。

エンヨの最高医学責任者(CMO)であるピエトロ・スカルファロ(MD)は、次のように述べています。「これらの結果は、Vonafexorが最大の利点をもたらすことができるCHB患者集団、すなわち203試験で示されるように免疫調節剤と併用した場合のCHBウイルス血症患者をさらに特徴付けることに役立ちます。当社は、Vonafexorとpeg-IFNの相乗効果を裏付ける前臨床データ、すなわちHBeAg陰性患者が機能的治癒に向けて一層前進することに資する自然免疫応答をVonafexorが実現することを示すデータを持っています。」

エンヨの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のジャッキー・ヴォンデルシャー博士は、次のように付け加えています。「HBeAg陰性患者はCHB患者集団の80%以上を占めるため、インターフェロンと併用したVonafexorを検討する203試験の結果には大変励まされます。これらの結果は、この患者集団を対象にpeg-IFNと併用するVonafexorの開発を継続することを完全に支持するもので、当社は他の作用機序を持つ治療薬とVonafexorを組み合わせて、それらの治療法がCHB患者にもたらす利点を最大化するための潜在的併用療法の研究を含め、承認申請のための重要な研究のデザインに取り組んでいます。」

B型慢性肝炎(CHB)について

WHOによれば、世界中で3億5000万人以上がB型肝炎ウイルスに慢性的に感染しており、その半数はアジアの人々です。集団ワクチン接種の前進にもかかわらず、2030年までなおも推定3億人がB型慢性肝炎を患い、肝硬変および肝臓がんを患うリスクが高い状態に置かれることになります。B型肝炎の治療で現在承認されている治療法(ペグ化インターフェロンおよびテノフォビルやエンテカビルのようなヌクレオチド/ヌクレオシド)は、血液中に存在するウイルスを効果的に抑制しますが、ウイルスは自らのcccDNAを組み込んだこれら患者の肝細胞内で有害作用を及ぼし続けるため、患者が治癒することはめったにありません。

Vonafexor(EYP001)について

Vonafexorは、非ステロイド性・非胆汁酸型・高選択性の合成FXR作動薬です。経口投与で体内に吸収されて利用され、肝臓に選択的に分布し、持続的な標的結合性を有しています。現在、B型慢性肝炎(CHB)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を治療するための第2相臨床開発が進行中です。

エンヨを設立したチームは、 FXR作動薬がB型肝炎のウイルス複製に不可欠なウイルスタンパク質であるHBxとFXRとの間の相互作用に干渉することを発見しました。現在の治療法は一生涯続くもので、ウイルス複製を制御するが、疾患の完全な治癒をもたらすものではありません。Vonafexorは、ウイルスの貯蔵庫であるcccDNAを標的とし、peg-IFNと相乗的に作用して自然免疫系の機能を高め、既存の治療法と違って本疾患の機能的治癒をもたらす可能性を備えています。

FXR作動薬は、肝胆汁性疾患および代謝性疾患の潜在的治療薬として注目を集めています。FXRの活性化は、肝臓の成長と再生に好影響を与え、げっ歯類とヒトで肝臓の線維症と脂肪症を予防・解消することが示されています。FXRには複数の作用があり、幾つかの代謝経路を調節します。特に肝臓と腸で胆汁酸の恒常性を制御し、発現が多く脂質代謝に影響を及ぼす組織のインスリン感受性に影響を及ぼします。

エンヨ・ファーマについて

エンヨ・ファーマは臨床段階にある非公開のバイオ製薬企業であり、2014年1月に設立され、フランスのリヨンに本社を置いています。最も開発の進んだ当社の化合物EYP001は、B型慢性肝炎およびNASHの治療薬として第2相臨床開発が進行中の低分子薬(非胆汁酸型FXR作動薬)です。EYP001および当社の各創薬プログラムの基盤となる専有的な技術プラットフォームは、ウイルス・バイオミメティック手法を採用し、優れた安全性プロファイルを持つファーストインクラスの医薬品候補の迅速な発見を実現するものです。エンヨの設立者らは、フランス感染症研究センター(リヨン)のウイルス/宿主タンパク質相互作用の専門家と、医薬品開発の優れた実績を持つ製薬業界エグゼクティブからなる混成チームです。エンヨおよびEYP001の詳細情報については、http://www.enyopharma.com/をご覧ください。

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