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2018年11月6日 (火)
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オスカー・フィッシャー賞はテキサス大学サンアントニオ校が具体化

サンアントニオ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 米国ビジネスマンのジェームス・トラチャード氏は、アルツハイマー病に対する理解と説明を深めるため、500万米ドルをテキサス大学サンアントニオ校(UTSA)理学部に寄付して、オスカー・フィッシャー・プロジェクトを創設しました。本イニシアチブでは、世界で最も優秀な頭脳を包括的な文献レビューに参加させ、得られた情報をまとめてアルツハイマー病の原因を簡潔に説明することを目指します。本コンテストは本日、北米神経科学学会の年次総会で発表されましたが、本総会は3万人近い科学者が集まる国際会合で、11月7日まで米国で開催中です。


トラチャード氏は米国に拠点を置く技術企業ナショナルインスツルメンツの元社長兼最高経営責任者(CEO)で、世界で最も優秀な頭脳を参加させるべく、オスカー・フィッシャー・プロジェクトを概念化して創設しました。本コンテストではオスカー・フィッシャー賞として最大400万米ドルが授与され、その内訳は200万ドルの大賞1件、50万ドルの2等賞2件、25万ドルの3等賞4件です。この賞金は全体として、同種の中では世界最高のものです。

トラチャード氏(75歳)は、個人的な研究を通じてオスカー・フィッシャー(1876~1942年)の業績について知りました。フィッシャーは神経科学におけるユダヤ人のパイオニアとして、アロイス・アルツハイマーと同時期に認知症の研究を行いました。フィッシャーは1900年からプラハに拠点を置くカレル大学のGerman Universityで研究を始めました。フィッシャーの研究は、アルツハイマー病の特徴的な病変である老人斑(senile plaque、当時はneuritic plaque=神経炎性斑と呼称)の発見につながりました。

フィッシャーはそれらの斑点がプレスビオフレニーと関連しているとの仮説を立て、さらに記憶喪失、記憶の歪曲、見当識障害を特徴とする老年性認知症の一形態としてキャラクタライズしました。フィッシャーはアルツハイマー病罹患中に現れる老人斑や神経原線維のもつれ、タンパク質ストランドを持つ12人の患者につき1907年に論文を発表しましたが、それはアルツハイマー病を早期発症した1人の患者につきアロイス・アルツハイマーが論文を発表したのと同じ年です。

フィッシャーは1939年に解任されるまでGerman Universityにとどまりました。その2年後にテレジーンのテレージエンシュタットに送られましたが、そこはアウシュビッツとトレブリンカに向かう通過駅のある土地でした。フィッシャーは強制収容所の過酷な環境に耐えられず1942年に死亡しました。

トラチャード氏は次のように述べています。「オスカー・フィッシャーの独創性に富んだ研究から1世紀が過ぎ、世界中で何百億ドルという資金が研究と潜在的治療薬のために費やされてきました。13万件以上の論文が発表されましたが、まだアルツハイマー病の決定的な説明や治療法に至っていません。アルツハイマー病は、大きく複雑なパズルであり、ピースが欠落しているとみる必要があります。私たちに必要なのは、すべてのピースを取り上げてそれぞれの意味を検討し、つじつまの合う説明を展開できる才能を持つ人間です。そうすることで、すべてのピースをまとめてパズルを完成することができます。」

国際アルツハイマー病協会(ADI)の「2018年世界アルツハイマー病レポート」によれば、世界中で推定5000万人が認知症を患い、世界経済にとって1兆ドルの費用負担となっています。ADIによれば、この患者人口は2050年までに3倍以上に増えると予想されます。またADIは、神経変性疾患に関する論文はがんと比較して12分の1であることも報告しています。

UTSA脳健康コンソーシアムの主任科学者であるジョージ・ペリーは、次のように述べています。「オスカー・フィッシャー・プロジェクトは、オスカー・フィッシャーが1世紀以上前に開始した研究を発展させる形で、アルツハイマー病研究の新しいシステムアプローチを採用します。トラチャード氏の気前の良い寄付金により、アルツハイマー病研究の評価を行い、本疾患に対する社会の理解を前進させる説明を提示するための国際フォーラムが創出されます。」

脳健康の研究で世界をリードするテキサス大学サンアントニオ校が、2年間の本コンテストを具体化していきます。UTSA脳健康コンソーシアムでは、米国で最も優秀な科学者38人が脳機能と治療薬の研究に携わっています。本大学の研究者らは、神経変性疾患、脳回路と電気的シグナル伝達、外傷性脳損傷、再生医療と幹細胞療法、医薬品化学と医薬品設計、神経炎症、心理学の専門知識を持っています。

UTSAのTaylor Eighmy学長は次のように述べています。「オスカー・フィッシャー・プロジェクトは、トラチャード氏の支援により、世界中の極めて優秀な頭脳の参加を通じ、共通の使命である神経変性の謎の解明を促進します。」

トラチャード氏は次のように付け加えています。「私はアルツハイマー病が多面的な疾患であると本気で考えています。すなわち生活様式、遺伝、脳の退化の問題です。可能性があるすべてのソリューションに目を向けることが重要です。本コンテストは世界の最も優れた頭脳を結集させ、完全な説明を考えてもらいます。」

UTSAはテキサスの傑出した科学者らで構成する学際的委員会と密に協力し、オスカー・フィッシャー賞を授与します。プロジェクトの提案募集は2019年2月に開始し、2年にわたって継続します。

テキサス大学サンアントニオ校について

テキサス大学サンアントニオ校(UTSA)は健康、サイバーセキュリティー、エネルギー、持続可能性、人間/社会開発を専門とする公立の都市圏貢献大学(urban serving university)です。3万2000人以上の学生を擁しており、サンアントニオ都市圏最大の大学となっています。UTSAは研究と発見、教育と学習、コミュニティエンゲージメントと公共奉仕を通じて知識を向上させています。当大学は多文化の伝統を大事にし、知的/創造的資源のセンターとして、また社会経済の発展および知的財産の商業化に対する触媒として、テキサス、米国、そして世界に貢献しています。詳細についてはオンラインフェイスブックツイッターインスタグラムUTSA Todayをご覧ください。

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